極私的松田聖子エピソード集 part11

kzroom2015-12-22

アルバム『Candy』に収録されている「ブルージュの鐘」と「黄色いカーディガン」は、初期のアナログ盤とカセットのみ違う音源が使われている、というのは、現在では多くの聖子ファンが知ってることだろう。

僕がこの事実に気がついたのは、1990年にCD選書シリーズで『SQUALL』から『The 9th Wave』までが再発された時に、まとめて購入して夜中にヘッドホンで聴いていた時だった。

『Candy』は発売日にアナログ盤(28AH1494)を購入して長年聴いていたので、1stバージョンが体に染み込んでいた。なのでCDで「ブルージュの鐘」(2ndバージョン)を最初に聴いた時は、驚いて夜中にベッドから飛び起きてしまった。

CD選書でお手頃価格で再発されたからCDでも揃えておくかな、という軽い気持ちでまとめ買いするまでの8年間、音源が差し替えられていたことを全く知らなかったのだ。

まだインターネットなんてものが無い時代だったから、一体何故こんなことが起きたのか?、どの盤からこうなっているのか?、なんてことは調べようもなく、悶々とした気持ちのまま時が経過した。

この件についてはマニアの皆さんがいろいろと調査してくださっているので、かなりの線まで状況が判明しているようですね。マトリックス番号の何番以降が2ndバージョンとか、それを突き止めた人は片っ端からアナログ盤を買って確認したのだろうか?

世の中には凄い人がいるもんです。

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聖子さんが日本武道館のステージに立っている姿を初めて生で見たのは、1980年12月16日に行われた「FNS歌謡祭」。

この時は観覧希望の葉書を20枚くらい送ったら5枚当たってしまい、余った分は学校で配った記憶がありますね。

肝心の聖子さんの歌唱シーンはほとんど記憶にないが、八代亜紀さんの「雨の慕情」の時に会場が大合唱になったのは憶えてる。トシちゃんファンも聖子ファンもナゼか大合唱。あの一体感は何だったのだろうか?

その2年後の「FNS歌謡祭」で聖子さんは「野ばらのエチュード」で大賞を受賞することになるが、この時僕は会場へは行かずに、家のテレビで生中継を見ていた。確か観覧希望の応募すらしていなかったと思うが、その理由がさっぱり思い出せない。

そしてその4日後、ついに聖子さんは初の日本武道館コンサートを行うことになる。伝説の「Christmas Queen」だ。


聖子さんの全キャリアの中でベストパフォーマンスを選ぶとしたら?という問いに、この日のコンサートを挙げる人は多い。僕もその意見には全く異論が無い。

コンサートが終わった後の充実感というか達成感もハンパなかった。僕はただ客席で見ていただけだけど、一緒にここまで辿り着いた、という思いも強かったのだろう。デビューからずっと見守ってきた彼女が遂にあのステージに、みたいな感慨深さというか。

残念ながらこのコンサートの映像は販売されていないが、当時フジテレビで放送されたものが残っているのが不幸中の幸い。ただCMをカットすると実際のコンサートの半分程度しかなく、なんとも歯がゆい内容なのも確か。

“ノーカットで出せやコラッ!”という不満と“半分でも放送してくれてありがとう!”という感謝の気持ちが入り混じって早30数年。

果たして全貌を現す日は来るのだろうか?

昼公演は14時開演で、テレビ放送は当日の16時か17時頃からだったと記憶してるが、そうなると、コンサート全編を収録した後に編集、などとのんびりしたことを言ってられないので、予め進行表を見て「この曲の後にCM入れて次はこの曲からこの曲まで」のように放送に使う曲を決めておかないと間に合わないハズで、放送しない曲は最初から収録していない、という可能性がある。

などと悲観的なことを書いてしまいましたが、真相はどうなんでしょうかね?


1982.12.25 日本武道館(昼の部)TOTAL TIME 1時間58分

セットリスト ※印はテレビ未放送

01:Overture(Only My Love) 〜 白い恋人
02:ウィンターガーデン ※
03:真冬の恋人たち ※

MC1

04:裸足の季節
05:青い珊瑚礁
06:SQUALL
07:ロックンロール・デイドリーム ※
08:風は秋色 ※

MC2

09:Sailing ※
10:チェリーブラッサム
11:夏の扉
12:白いパラソル
13:パイナップルアイランド ※

MC3

バックバンドによるインスト ※

14:星空のドライブ ※
15:一千一秒物語 ※

MC4

16:Rock'n Roll Good-bye
17:野ばらのエチュード
18:未来の花嫁 ※

MC5

19:赤いスイートピー ※
20:渚のバルコニー
21:小麦色のマーメイド
22:風立ちぬ

アンコール

23:クリスマスメドレー
23-01:諸人こぞりて(コーラス隊のみ) ※
23-02:サンタクロースがやってくる
23-03:ジングルベル
24:恋人がサンタクロース
25:White Christmas ※

MC6

26:星のファンタジ−
27:LOVE SONG
28:Only My Love


現在ネット上で見られるこの日のセットリストの多くは「Sailing」が抜けている。また「パイナップルアイランド」の後に「愛されたいの」を歌ったと記載しているサイトも多いが実際には歌っていない。

ちなみに「Sailing」は前半部をバックコーラスのコールアカシアの皆さんが歌い、その間に聖子さんは衣装替え。着替え終わった聖子さんが後半を歌う、という構成。

「SQUALL」のマグネシウムは、夜公演のほうが昼公演よりも1テンポ遅い。

真冬の恋人たち」の“可愛いね君”の部分は、昼公演では男性の声(誰だか不明)で歌われてたが、夜公演ではオミットされていた。

夜公演では「風立ちぬ」の前に一言挨拶があるが、昼公演は何もなくすぐに曲が始まる。

クリスマスメドレーの「諸人こぞりて」はコーラス隊のみで聖子さんは歌っていない。


「一千一秒物語」1982.12.25 日本武道館 昼公演より
 

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出待ち写真その2


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