グッバイファンが選ぶ名盤100選(1)

Todd Rungren『Faithful』

トッド・ラングレン『Something/Anything?』について書こうと思っていたのですが、先日のやっちんファンクラブバスツアー(マザー牧場)の帰りにファンからの質問で、“トッドで最初に聴いたのは『Faithful』”と答えた、との情報を得たので、急遽これを取り上げることにします。実は僕も80年代後半に米RhinoからトッドのBearsvile時代の作品が再発された時、真っ先に買ったのがこの『Faithful』でした。

アナログ盤でいうA面がカバー、B面がオリジナル、という構成なんだが、カバーに選んだ曲がまたなんともトッドの意地が感じられる選曲で、一人多重録音でやるにはかなり面倒な曲が並んでる。テープの逆回転まで再現しようとがんばってるけど、テンポが怪しいところがちょっと微笑ましい。テンポがずれても無理矢理強引に合わせてしまうところが、いかにもトッドというか。現在ならPro Toolsを使えば簡単にできてしまうことだけど、70年代のこうした試行錯誤も、今聴くとかなり面白い。B面には、現在でもトッドがライブで頻繁に演奏する代表的な曲が収録されているので、興味を持った方にはマストでしょう。

やっちんへのトッド・ラングレンの影響、といえば真っ先に「Virgin Snow」が頭に浮かびますね。サビの歌い回し方なんて、かなりトッド入ってますよ。あと、アポロボーイズのライブで披露した「ラブレター」のイントロとか。

ジェフ・リンほど露骨に影響が顔を出すことはないけど、グッバイファン(特にやっちんファン)は、一応トッドのベスト盤くらいは押さえておいても損は無いと思います。

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2002年の来日時にサインしてもらった『Faithful』のアナログ盤ジャケ(ボカしてある部分には僕の名前が書かれてる)。

↑のサインを書いてるところ