水谷麻里に気をつけろ!

水谷麻里

“ちょっと珍しい盤を紹介しようコーナー”その2。
水谷麻里「なかよし」
これは特にレア盤でもなんでもなく、今でも中古盤屋を探せばお手頃価格で手に入るものなんだけど、久しぶりに手にしたので紹介しておきます。

アナログ盤で言うA面は全て松本隆作詞で、作曲陣は筒美京平細野晴臣南佳孝宮城伸一郎といった、松本人脈で固められてます。B面にも村松邦男が作曲で参加してたりするので、その筋の人は要チェックでしょう。アルバム自体も非常によくできた80'sアイドルの名盤のひとつなので、見つけた際には聴いてみるといいかもよ。

で、わざわざこのアルバムを紹介した最大の理由は、我らが野村義男曽我泰久コンビが、作家チームとして楽曲提供しているからです!

「愛こがれる50's」
作詞:野村義男、作曲:曽我泰久、編曲:小林信吾
「I Still Love You」
作詞:野村義男、作曲:小野沢篤、編曲:小林信吾

「愛こがれる50's」はタイトルどおりオールディーズ風味溢れる曲で、日本語カバーポップス全盛時に中尾ミエとかが歌ってそうな雰囲気。曲のベースになってるのは、おそらくConnie Francisの「Lipstick On Your Color」あたり。Connie Francisといえば、グッバイの「summer 1963」にもチラッと「Where The Boys Are」が顔を出しますね。

「I Still Love You」はアルバムの最後を飾る、しっとりめのバラード。作曲をしてる小野沢さんは、当時グッバイのサポートキーボードやアレンジを担当してた、グッバイの8人目のメンバーと僕が勝手に思ってる人。ちなみに5人目が川原さんで6人目が相茶さんで7人目が野口さんね。

ザ・グッバイはアルバム『Fifth Dimension』を1986年5月21日にリリース後、桑田靖子のレコーディングセッションの為、観音崎のスタジオで合宿をすることになる(この時の音源はボーカル録りまで行われていながらお蔵入りになってしまった)。このセッションの最終日に「のぞいてFeel Me,Touch Me」のデモが録られたのは有名な話。

水谷麻里のアルバムのリリース日が1986年8月21日なので、桑田靖子セッションと時期的にかなり近い。桑田ー水谷は同じサンミュージック所属なので、どちらかの仕事内容が好評だった為、もう片方に話が行ったのか?、それとも水谷とは単なるビクター繋がりだったのか?、時系列的にはどういう流れだったのか、妄想が尽きないところです。

ちなみに水谷麻里のラストシングル「春休み」は、グッバイのディレクターだった川原さんが“平井夏美”名義で作曲してたりするんだな。

グッバイマニアは水谷麻里に気をつけろ!(ちなみに現在は江口寿史夫人)。