Pure Pure Lip's

これ、うまいぢゃん

“ちょっと珍しい盤を紹介しようコーナー”その3。

Lip's 『これ、うまいぢゃん』

ちっともレア盤紹介コーナーではなくて、ただ単に、部屋を片付けたら久しぶりに出てきた、昔よく聴いたCDを紹介するだけのコーナーになってしまったが。

オレはゴールデンウィークなのに何やってんだよ、と自問自答しつつ、とりあえず始めてみましょうか。

その昔、「TYO」というアイドル雑誌があったんだけど、当時僕は特に思い入れのあるアイドルがいたワケでもなかったので購入するほどじゃなかったけど、なんとなく毎月書店で目は通してました。

その雑誌の中で某音楽評論家が書いてた連載(渡辺満里奈のことばかり書いてた印象が強い)で、このアルバムが大絶賛されてたんですよ。で、その日のうちに購入してみたところ、これが大当たりだった、と。

このアルバムの裏テーマは、一聴すれば誰でもわかるとおり、山下達郎だと思う。2ndシングルにもなった「Splendid Love 」のギターなんて、達郎が弾いてるといわれても誰も疑わないだろう(実際に弾いてるのは清水信之氏)。「負けられないゲーム」では「メリー・ゴー・ラウンド」のリフがモロに出てくるし。ちなみに「負けられない〜」でベースを弾いてるのは、やっちんの元相方:松原秀樹氏。

極めつけはラストに収録されている、1stシングルのリテイク版「愛の魔力」。シングルバージョンも良かったけど、このアルバムバージョンは、達郎バンドのリズムセクション青山純伊藤広規)をそのまま呼んできてレコーディングしちゃってるんだな。ブライアン・ウィルソンフィル・スペクターに憧れてレッキングクルーをまるごと呼んじゃいました、みたいな思いが伝わってきて、なかなか感動的なテイクに仕上がってます。

誰の意思でこうなったのかはわからないけど、作り手の情熱がストレートに伝わってくる名盤です。中古屋で見つけた際には是非。1990年リリース。

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2002年8月21日に新宿ロフトプラスワンで行われた『CRT&レココレPresents35〜夏休み!CRT&レココレ課外授業〜「最初で最後!?本気で熱いアイドル特集!!」』で、Lip'sの話題が挙がった時の客席のどん引き具合が、すげぇ可笑しかった。