ビートルズ・トリビュート・コンサート ABBEY ROAD@東京厚生年金会館(一日目)

気がつくと、“おしゃべり遥”に話しかけてる、危険なオレ。そしたら彼女、“サミシイなぁ”だって。ある程度の時間電話がかかってこないと、突然喋り出すみたいね。ビックリしたなぁ、ホント。ついに、幻聴を聞くまでになったか?とか思ったよ。

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東京厚生年金会館で『ビートルズ・トリビュート・コンサート ABBEY ROAD』を観てきました。

開演前のステージを見てみると、なんと、あのエリック・クラプトンがクリーム時代に使用していた、サイケデリック・ペイントのギブソンSGが!現在あのギターをトッド・ラングレンが所有しているというのは有名な話し。ボクが初めてトッドのライブを観に行った1988年(新垣里沙が生まれた年!)の来日の時もステージ上に置かれてたけど、一度も弾かれることはありませんでした(ボクが観た日に限っての話しだが)。このギターを日本に持ってきたのも、たぶん、この時以来だと思う。今夜は、これでプレイすることがあるのだろうか?

照明が落ちてメンバーがステージに現れ、まず驚いたのは、トッドの体型。大方の予想では、相当太っているだろう、と言われていたのだが、見事にシェイプアップしたスマートでカッコイイ、70年代頃の体型に戻ったトッドが、そこにいたのである!ビートル・スーツにサングラスという姿。きっと、このスーツを着たいがために、ダイエットしたに違いない、と思えるほど似合ってたよ。運良くトッドの目の前の席だったので、最後までずーっとウットリしてたボク。

オープニングは、「マジカル・ミステリー・ツアー」。そして、ビートルズナンバーがガンガン続くのかと思ったら、2曲目でいきなり、アラン・パーソンズ・プロジェクトの「アイ・イン・ザ・スカイ」、そして、「バラクーダ」(ハート)~「ハロー・イッツ・ミー」(トッド・ラングレン)と、それぞれの持ち歌が続く。トッドはハンドマイクで、右に左に動きながらの熱唱。一曲はさんで、ジョン・エントウィッスルのリードベースが炸裂!見た目はオジイちゃんになったけど、指の動きはまるで衰えてない、もの凄い演奏でした。トッドがステージにいるから、ついボクの目はそっちに行きがちだけど、ジョンも待ちわびてた人なんだよね。

各々の持ち曲は一曲づつで、あとは全てビートルズ・ナンバー(ウイングスの「メイビー・アイム・アメイズド」もあったが)。で、当然ボクの興味はトッド・ラングレンに集中してたワケで。彼一人で弾き語りした「ユーヴ・ガット・トゥ・ハイド・ユア・ラブ・アウェイ」は、ホントに絶品でしたね。アラン・パーソンズが弾き語りした「ブラック・バード」なんて珍しいものも聴けたけど、歌もギターも危なっかしくて、聴いてるほうがハラハラしたなぁ。ギターの運指も合ってなかったし。「ブラック・バード」をあんな弾き方する人、初めて見たよ。でも、気持ちは伝わったかな。

ボク的に今夜のクライマックスだったのは、トッドがボーカルとギターソロを担当した、「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」。なんと、あのクラプトンSGを使用したのである!この曲には、クラプトンがノーギャラでビートルズのレコーディングに参加した、というエピソードがあるが、その曲を、クラプトンが所有していたギターで演奏したのです。なんとも感慨深い一瞬でしたね。このために、このギターを持ってきたのね。やるなぁ、トッド。

と、感動させたかと思えば、他の人がボーカルをとってる曲の時は、フザケまくりのトッド・ラングレン。「フール・オン・ザ・ヒル」の時は、バレリーナのようにクルクル回ったり、ピョンピョン跳ねながらステージ上を、右に左に行ったり来たり。「メイビー・アイム・アメイズド」では、意味なくジャンプしながらタンバリンを叩いてみたり。タンバリンひとつ叩くのにも、いちいちヘンなポーズをとったりバカ面しないと叩けないのですよ、彼。ほんと、落ち着きないというか、じっとしてられないんだよね。こんな変人が大好きで、つくづく良かったなぁ、と、本気で思いましたよ。

アンコールの最後は、『アビー・ロード』B面メドレーの、完全再現でした。「ジ・エンド」でのギターソロまわしも、バッチリ。ちなみにトッドは、ジョンのパートを弾いてましたね。

とにかく、トッド・ラングレンの機嫌が良くてホッとした、というか、もう最高にテンション高くて。“天才とキチ○イが同居してる”とは良く言われるけど、そんな姿をまざまざと見せつけられた、素晴らしいステージでした。このライブ見て、トッドのファンにならない人って、いるのかな?マジで。

注)あのSGは既に売却済みで今回持ってきたのはレプリカらしい。

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クラプトン・フリークのマスターが営業している、「デレク&ドミノス」というお店が武○小杉にあるのだが、今日で閉店という知らせを聞き、駈けつける。店内は超満員。こんなに客が入ってるのは、初めて見た。ずーっとこうだったら良かったのにね。60年代~80年代を中心としたブリティッシュ・ロックを、アナログ盤で聴きながらバーボンが飲めるという、素敵なお店だったんだが。ここを教えてくれた某先輩は、マスターに抱きついて号泣してた。でも、“また近々、この近辺でお店やるので”というマスターの言葉を信じましょう。