小沢健二 犬は吠えるがキャラバンは進む

今の小沢健二の一般的なイメージとは、だいぶかけ離れているこのデビュー作。

この中に収録されている楽曲群を初めて聴いたのは、日比谷野音でのファーストソロLIVE。とても上手いとは言えないボーカルから発っせられる言葉の数々に、胸が張り裂けそうになった。

発売当初、スティービー・ワンダーや、エリック・クラプトン、はっぴぃえんど、などからの引用を非難されたりもしたけど、それは計算高い彼のこと、すべて予測したうえでのことであり、これからの方向性を提示するといった意味合いがあったんだと解釈してる。

全体的に、ほとんどが4リズムのシンプルなアレンジ。ボーカルの弱さがよけいに目立つが、敢えてそうしたのが挑戦的で彼らしい。

心が荒んだ時は、「天使たちのシーン」を聴いて、本来の自分の姿を取り戻す、僕にとってそんなアルバムの一枚。