ネットのない時代にコンサートやテレビ出演などのスケジュールを調べるには、ファンクラブからの情報や雑誌に掲載されている情報に頼るしかなかったわけだが、僕はファンクラブ会報と「月刊 平凡」、「月刊 明星」に載ってたスケジュールを統合して、自分なりに管理していた。
どういうわけだか、平凡には載ってるのに明星には載ってない、またはその逆、というケースが多々あって、両方チェックしないと漏れが発生するという厄介な状況だった。ただそれらの情報はあくまでも公開できるスケジュールであって、ファンがどんなに頑張ったところで完全に把握するなんてことは無理な話しだった。
そうやってスケージュールチェックをしている時によく目にした文字が「長島温泉」。
長島温泉というところで「松田聖子ショー」の営業をしてるんだろうな、ということはなんとなく理解していたが、わざわざ遠征してまで見に行こう、という気は起きなかった。そもそもその頃は、東京都内でのファン活動だけでも資金的にギリギリだったから最初から諦めていた、という部分もある。
しかしやはり頻繁に目にする「長島温泉」という文字は気になる。それなのにそこでのライブ映像や画像、音声があるわけでもない、今みたいにネットにライブレポやセットリストが挙がるわけでもない、何をやっているのか全くわからないのだ。
そんなある日、武道館コンサートのチケット購入の為に並んでいた時に話しかけてきた人（推定年齢40代、当時僕は10代）が、長島温泉の「松田聖子ショー」の素晴らしさについて話しだしたのだ。そして僕が長島温泉に行ったことがないと知るやいなや、急に上から目線で、“おまえ、長島温泉行ったことないの？マジで？武道館なんかより全然いいよ！”とまくし立てた。
通常のコンサートとは違うフリーライブ的な「松田聖子ショー」ということでいえばよみうりランドでのショーを観たことあるけど、あの時も演奏はフルバンドだったし、有料のコンサートと比べても遜色の無いクオリティだった。長島温泉でのショーも、かなりのクオリティだったことは容易に想像がつく。
デビュー1年目か2年目くらいから結婚する前年くらいまで長島温泉の「松田聖子ショー」は行われていたような記憶がある。しかし結局僕は一度も行くことはなかった。
一応僕はデビュー時からのリアルタイムファンで、かなりの数のステージを観てきたけど、問題の長島温泉の「松田聖子ショー」を一度も観ていないのである。これって相当マズイ。“82年の武道館が生涯ベストパフォーマンスだね”なんて、わかったような顔で言う資格は全くないのだ。
僕はいまだに“長島温泉コンプレックス”をこじらせている。
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「SWEET MEMORIES」がCMソングに起用された際、当初歌手名を表記せずに、“これ歌ってるの誰だ？”と視聴者に思わせて話題作りを狙った、というような話しがある。
しかし実際のところあれはCMがオンエアされる前、かつ「ガラスの林檎 / SWEET MEMORIES」のシングルが発売される前から、情報自体は解禁されていた。僕は「ザ・テレビジョン」の芸能ニュースページに、“松田聖子のニューシングルのB面がビールのCMソングに決定”と載ってたのを読んだ記憶がハッキリある。どうせならもっと情報管理をしっかりやればよかったのにね。
何の予備知識も無しにあのCMを見て、“これって松田聖子じゃん！”と、驚いてみたかったです。
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そんなビールのCMが話題になってる頃、『CARAVELLI PLAYS聖子』発売のお知らせ葉書が来た。
この頃は“松田聖子”と名の付くものは全て購入していたので、こんなものまで買わなければならない。しかも予約特典目当てで予約してまで買った。
そして特典で貰ったのはこのしょぼいアドレス帳（涙）
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このカセットレーベルは何の特典で貰ったかすっかり忘れてしまった
