気まぐれOne Way Review(4)

気まぐれOne Way Boy

The Good-Bye「気まぐれOne Way Boy」

作詞:橋本淳
作曲:山本寛太郎
編曲:甲斐正人

1983年9月1日発売 SV-7328
3分37秒 c/w DANCE×3
収録アルバム
「OLDIES BUT GOOD-BUY!」(CDのみ)
「Ready! Steady!! The Good-Bye!!!」

この連載タイトルの元ネタともなった曲。てゆうか、この曲について書きたくて、このタイトル名にしたというのがホントのところ。

メンバーのオリジナル曲ではない、という理由からか、後追いファンの中にはこの曲を好まない人が多いみたいだが、僕は大〜好きなんだよね、これ。

バンド復活後のライブ「再会」や「Ready Go!」で、さわりしか演奏されなかったり、活動停止後に発売されたベスト盤『Anthology』の選曲から漏れていたり、最新ベスト『Ready! Steady!! The Good-Bye!!!』でボーナストラック扱いだったりする理由は薄々感付いてるつもりですが、あまりこの件について深く触れるのは止めておきましょう。

イントロ及び全体的なアレンジは、Frank Stallone「Far From Over」(1983年発売)をベースにしてるというか、まぁそのまんまなんだけど、デビュー曲にして、その後のグッバイの方法論をある意味暗示してるというのが、とても興味深いところではあります。しかも、他の作家の手による作品にも関わらずですよ。それにしても、元ネタの曲がリリースされた同年に引用するとは、なんとも大胆でしたね。「Far From Over」は映画「Staying Alive」の主題歌だったので、当時CMスポットでもガンガン流れてたんですよね。その直後だっただけに、驚きも大きかったです。

タイトル及び歌詞について、僕がずっと考えていたこと、というか誇大妄想が3つほどあるので、紹介しておきましょうか。

  • “One Way Boy”の“One Way”とは、プロデューサーの飯田久彦さんの歌手時代の盟友、平尾昌晃さんのヒット曲「恋の片道切符」の原題「One Way Ticket To The Blues」(Neil Sedaka)の“One Way”に対する、飯田さんのオマージュ説。
  • “♪ツィ、ツィ、ツイスト&シャウト”とは、B面の「Dance×3」の冒頭のコーラス部に対する暗示説。
  • “♪乾杯、乾杯、ブギウギ少女”のブギウギ少女とは、野村義男さんがたのきん時代、十八番にしていた「銀座カンカン娘」(笠置シヅ子高峰秀子)の“カンカン娘”の類似語説。カンカン娘ではいまいちハマリが悪い為ブギウギ少女に差し替えられたが、“カンカン”の韻は“乾杯”に引き継がれた。

改めて言っておくけど、これは全部妄想なんで信用しないように。ちなみに野村義男さんの「銀座カンカン娘」は、映画「ブルージーンズ・メモリー」のサントラで聴くことができるので、チェックよろしく。

***

“たのきん”のラストバッターとして、田原俊彦近藤真彦に続いてデビューするのかと思いきや、間にシブがき隊がはさまったりして、よっちゃんとしてもプレッシャーが大きかったことだろう。それだけに年末の賞レースで新人賞を受賞するシーンなどは、ファンとしても感動的だった。首から受賞メダルを下げ、涙を流しながら「気まぐれ〜」を歌うよっちゃん。その横で対照的にニコニコしながらコーラスを付けるやっちん。そんなシーンをリアルタイムで見てきたファンにとっては、とても大切な曲なんですよ。

今夜も叫ぶよ、“Rock'n tonight”とね。

***

「You TooなOne Way Boy」というタイトルの別バージョン(編曲:佐藤準)が存在するらしい。

***

なぜかこのシングルは6枚持ってる。