~ ブライアン・ウィルソン御一行様 追っかけ日記 ~ (2002)

ブライアン・ウィルソン日本公演パンフレット(2002)
『The Pet Sounds Tour』

1999年にまさかの来日公演を行ない、我々ファンを感動の嵐で包み込んだブライアン・ウィルソン。最終日のステージを終えて、去ってゆくブライアンの後ろ姿を見て涙しました。感謝の気持ちと、“もう会えないんだよなぁ”という気持ちが交錯して・・・。

この1999年の日本公演はブライアン及びバンドメンバーにとって、ある意味分岐点になったのは確実で、その後ブライアンはグングン調子を上げていくことになります。

そんな状況を見ながら、やがて“もしかしたらまた?”、なんて思い始め、ついに2001年6月、再来日のスケジュールが正式発表されます。翌、7月からチケットも発売され、あとは来日を待つばかり、となった9月、米国で発生した同時多発テロの影響で、残念ながら来日公演は延期されることになりました(※)。

そして5ヶ月間焦らされたわけだけど、今度こそ本当にブライアンはやって来ました。前回に続き、“夢のような1週間”を記録として残すためにまたこのページを作りましたが、いつものようなミーハー精神丸出しの、音楽的には資料価値ゼロの内容になってしまいました。よかったら、適当に読み流していただければ幸いです。

(※)本来ならばコンサートが行なわれていた、2001年9月20日東京国際フォーラム前の様子




MUSICIANS:

Brian Wilson   (vocals,keyboards)
Jeffrey Foskett   (vocals,guitar,banjo,percussion)
Jim Hines   (vocals,drums)
Bob Lizik   (vocals,bass)
Paul Mertens   (vocals,woodwinds,harmonica,flute,piccolo,saxophones,keyboards)
Darian Sahanaja   (vocals,keyboards,vibraphone)
Nick Walusko   (vocals,guitar)
Probyn Gregory   (vocals,keyboards,guitar,french
horn,trumpet,tannerin)
Scotto Bennett   (vocals,percussion,keyboards,guitar,vibraphone)
Taylor Mills   (vocals,percussion)
Andy Paley   (vocals,guitar,percussion,vibraphone,keyboards)


SETLIST:

第1部
01. Brian Wilson
02. 'Til I Die
03. Dance Dance Dance
04. In My Room
05. California Girls
06. The Warmth Of The Sun
07. Your Imagination
08. Forever
09. Sail On, Sailor
10. Add Some Music To Your Day
11. Please Let Me Wonder
12. You're So Good To Me ※
13. Don't Worry Baby
14. Desert Drive
15. Meant For You
16. Friends
17. Our Prayer
18. Heroes And Villains
19. Surfs Up
20. Marcella
21. Do It Again

15分間の休憩

第2部
22. Wouldn't It Be Nice
23. You Still Believe In Me
24. That's Not Me
25. Don't Talk
26. I'm Waiting For The Day
27. Let's Go Away For Awhile
28. Sloop John B
29. God Only Knows
30. I Know There's An Answer
31. Here Today
32. I Just Wasn't Made For These Times
33. Pet Sounds
34. Caroline, No
35. Good Vibrations

アンコール1
36. Surfer Girl
37. Help Me, Rhonda
38. I Get Around
39. Barbara Ann
40. Surfin' USA
41. Fun, Fun, Fun

アンコール2
42. Love And Mercy

※2月21日の東京国際フォーラム公演では、12.You're So Good To Meが演奏されませんでした。

2月21日 東京国際フォーラムホールA


18時15分に会場着。まだ開演まで時間があるというのに、グッズ売り場は長蛇の列。パンフレット、Tシャツ、ポロシャツ(共に白・黒の2種類)、そして目玉商品の、サイン入りポスター。このポスターは各日限定で、何部発売されるかは、その日のブライアンの気まぐれ次第らしい。ちなみに本日は20部発売され早々に売り切れたようでした。

本日の公演は残念ながら、前売り券の売れ行きが芳しくなかったようで、2階席は開放されませんでした。したがって、前売りで2階席だった人は、当日会場で1階席のチケットと交換するという処置がとられることに。

開演時間より遅れること11分、いよいよメンバーの登場です。胸に星条旗がプリントされている、紺のセーターを着たブライアンが定位置につくなり、客席後方から、“ブライアン!”と大きな声がかかり、“アリガート”と応える。これが第一声でした。水を一口飲んで、演奏がスタート。最近のセットリストで定着している、「Brian Wilson」~「Til I Die」で幕開け。固唾を飲んで見守る観客。続く「Dance Dance Dance」でも、タイトルに反して固まってましたね、皆さん。まだお客さん側の緊張が解れてなかったような気がしました。曲が終わって、早くも観客をあおるブライアン。なのに、次に演奏されたのは、スローな曲調である「In My Room」でした。この曲でブライアンは、“本当に”キーボードを弾きました!。前回は弾いてるマネだけだっただけに驚きです。それだけステージに慣れてきた証拠でしょうね。「Forever」の前のMCで、“17年前に亡くなった弟、デニスに捧げます”と言ってたけど、実際は19年前ですね(デニスが亡くなったのは1983年12月18日)。昨年のボストンのライブでは、“18 years ago”と言ってたんだが、なぜかカウントダウンしてしまったブライアン。「Sail On, Sailor」では、サックスのポール・マーテンズがキーボードに移動。彼も密かに芸達者です。「Please Let Me Wonder」の間奏では、ブライアンから見て右側に位置しているヴァイブと左側のギターの方向を、フレーズに合わせて右見て左見て、の妙なアクション。アンディ・ペイリーを威勢よく紹介してから始まった「Desert Drive」で、アンディはダリアンの隣まで出てきてキーボードをプレイ。そしてスコットは、アンディがいたポジションに移動してギターをプレイします。この曲が終わったところで、お馴染みの一発ギャグ、“シガレットライタージョーク”が入ります。つっこみ役のジェフリー・フォスケットとの息もピッタリでしたね。そして、前半のクライマックスとも言える「Meant For You」~「Friends」のフレンズメドレー、「Our Prayer」~「Heroes And Villains」のスマイルメドレーへと続きます。もう、言葉がないですね、これは。生きててよかったと、本気で思った瞬間でした。コーラスの指揮をとるダリアンの姿が素敵です。そして、「Surfs Up」をブライアンのボーカルで生で聴ける日が来るとは・・・。若干ファルセットが辛そうだったけど、そこがまた心の琴線に触れてしまうというのが、盲目なファンというものでしょう。“♪The glass was raised, the fired rose The fullness of the wine, the dim last toasting”のところで、ろれつが回らなくなった時は、思わず手に汗を握ってしまったが。「Marcella」では、スコットがジェフリーのポジションに移動してギターをプレイ。この時ジェフリーは、ダリアンに後ろからからんでましたね。昨年のジョーンズビーチのライブ映像では、この曲でジェフリーはテイラー・ミルズにちょっかいを出して、“プイッ”とされるシーンがあるんだけど、それを再現して欲しかったところだが。第一部の最後、「Do It Again」 が終わったところで、約15分間の休憩(ジェフリーは“20minutes”と言ってたが・・・)。

後半はいよいよ、アルバム『Pet Sounds』の完全再現。一発目の「Wouldn't It Be Nice」の出だし“ウ~”をおもいっきり外してしまい、プロビン・グレゴリーは苦笑い。ダリアンも、“あ~”という表情。一瞬の緊張が走りました。しかし、そんなことはお構いなしに上機嫌なブライアン。「Don't Talk」では、手を胸の前でグルグル(糸巻きのポーズ)。“世界で最初に神という言葉をタイトルに使った曲”、と紹介して始まった「God Only Knows」でも糸巻きポーズ。この時は逆回転の糸巻きも披露してましたね(どうでもいいことだが)。「I Know There's An Answer」でのジェフリー・フォスケットは、バンジョーをプレイ。「Here Today」が終わったところで、客席の方々から声援が飛び、“I can hear you!” と応える余裕ぶり。「Pet Sounds」でのパーカッション合戦は、なんと、ジム&スコットのコンビでした。スコット大活躍です。「Caroline, No」のエンディングでのSEが流れ、『Pet Sounds』の完全再現は終了。ジェフリーの “The GREAT Brian Wilson!”の雄叫びの中、スポットライトに浮かびあがるブライアン。ダリアンがブライアンの襟を直してあげる仕種をして、ちょっとおどけてみる。第二部のエンディングである「Good Vibrations」で見せる指をヒラヒラさせるアクションは“Vibrations”を表現しているのか?ナゾを残したまま、曲が終わったら早々と引き上げるブライアン。バンドメンバーが全員引き上げると同時くらいに、もうブライアン再登場。アンコール1曲目は「Surfer Girl」でしっとりと。ここでも“本当”にキーボードをプレイ。続く「Help Me, Rhonda」のイントロで、遂にでた“Everybody stand up!”。曲の最後で、アンディ・ペイリーが勢い余って、シンバルスタンドを倒してしまう。それがジム・ハインズのシンバルスタンドに当たって、ドミノ倒し状態に。そんなことはお構いなしに「I Get Around」へ。 続く「Barbara Ann」では、サンバーストフィニッシュのフェンダー・プレジション・ベースを手にして大歓声を浴びながら、“Everybody Say Yeah!”と、観客をあおる。その影では、プロビンのギターがトラブって、スタッフが大慌てしてましたが。この曲では、ポール・リジックも初めてコーラスに加わりましたね。あとは「Surfin' USA」~「Fun, Fun, Fun」 とお馴染みのロックンロールナンバーが続いて、序盤の緊張具合がウソのように弾けている観客とも一体に。まだ演奏が終わらないうちにステージそでへ引き上げようとするブライアン。この時、スコットがブライアンにタンバリンを手渡し、それを振りながら笑顔で消えていきました。

再び登場しての「Love And Mercy」を歌い終え、無事に日本公演初日は終了。

全体的に終始ニコやかで、機嫌が良さそうでしたね、ブライアン。やたらと手のアクションが目立ったのが印象的でした。『The Pet Sounds Tour』と銘打ってはいるけど、ボク的なクライマックスは「Our Prayer」~「Heroes And Villains」のスマイルメドレーでした。




グッズ売り場


2月22日 東京国際フォーラムホールA

本日のサイン入りポスターは40部発売されたようです。当然、速攻で売り切れましたけど。
金曜日ということもあるのか、昨日とは違って、お客さんの入りがよかったですね。1階席は9割9分埋まってました。2階席も通常どおり開放されて、やれやれって感じ。

前回の来日公演も含めて、ボクは運がいいことに、ほとんど席は10列目以内、最低でも15列目だったんだけど、今日に限って、後ろから数えたほうが早いような席でした。初めて遠くから見るブライアン。なので、細かなチェックは肉眼ではムリなので、多少勘違いがあるかも。

19時4分、メンバー登場。今日の衣装は、☆が散りばめられたセーターっぽく見えたんだが、どうだろう?あれは、メリンダさんの趣味なのか?

客の入りがいいことに気をよくしたのか、しょっぱなからあおりまくってましたね、ブライアン。早くも「The Warmth Of The Sun」で、糸巻きポーズ登場です。続く「Your Imagination」で、しきりに髪を撫でるアクションをしてたのは、どういう意味なんだろう?「Forever」の前のMCでは、今日も“17 years ago”と言ってましたね。 「Add Some Music To Your Day」での、ガッツポーズとバンザイを繰り返すアクションは一体・・・。ナゾだらけのブライアン・アクション。「Please Let Me Wonder」の2コーラス目で、“♪If I've been the one you love,If I'm who you're dreaming of”と歌うところを、“♪If I'm who you're dreaming of,If I'm who you're dreaming of”と、同じ歌詞を続けてしまっても、まるで動揺しません。大物です。今日はこの曲のあとに、“シガレットライタージョーク”が入りました。そして「Don't Worry Baby」へいくかと思ったら、なんと「You're So Good To Me」を演奏しました。これは今日最大のポイントですね。これ以降のセットリストは、昨日と同様でした。昨日ミスった「Surfs Up」の“♪The glass was raised~”は、無事に歌いきりました。なんだかこっちがヒヤヒヤしてしまったが。続く「Marcella」の時に、早くも“Everybody stand up!”。さらに「Do It Again」では、自らマイクスタンドを調節して、立ち上がって歌うブライアン。しかし間奏になったら、あっさり元に戻します。第一部終了前のジェフリーの一言、今日は“15minutes”に直ってました。律儀そうな人だ。

第二部開始前、昨日は無かったメンバー紹介がありました(というよりも、ナゼ昨日は無かったのだろう?)。最近は、“Tasty Brothers”と、二人一組で紹介されることが多い、ジム・ハインズとボブ・リジックが、別々に紹介されてましたね。“欽ちゃんジャンプ”でニックが登場したり、プロビンがスキップで現れたりと、なんだかメンバーも楽しそうです。“GREAT Darian Sahanaja!”と、“グレイト付き”で紹介されたダリアンには、一層大きな拍手が送られてました。もうすでに、貫禄さえ漂ってます。ほんとダリアンは頼もしい。

「Wouldn't It Be Nice」の出だしの“ウ~”は、昨日よりは幾分マシでしたが、なんだかこの曲を歌うブライアンって、元気無さげ。やっぱり、あのキーはどうも・・・。「You Still Believe In Me」のクラクションはスコットの担当なんだけど、1発目がフヌケに聞こえたのは、気のせいか?(要ブートチェック項目)。「Sloop John B」の出だしで、フルートとグロッケンがユニゾンになるところのタイミングが合わずに、何度もやり直してたけど、あんなの初めて聞きましたね。

「God Only Knows」の前のMCで、“Paul Mccartney told me ~ favorite song”の一言が追加されてて、誇らしげなブライアン。グレイトです。「Pet Sounds」の時は、いつもブライアンは後ろを向いてるのだが、今日はやたらと、足をバタバタやってましたね。「Caroline, No」では、またもや糸巻きポーズ。それでも最後は、スタンディングオベーションで迎えられる、“The GREAT BrianWilson!”。この盛り上がりのまま「Good Vibrations」に突入し、第二部終了。

アンコールで登場するまでの時間が、いつもより長め(それでも十分短い)だったような気がするが、上機嫌でブライアン登場。「Surfer Girl」が終ったところで、昨日同様“Everybody stand up!”。しかし、「Caroline, No」の後のスタンディングオベーションのまま、観客はみな立ちっぱなしだったので、“Everybody standing”と言い直す。「Surfin' USA」のオルガン・ソロを弾く時のダリアンは、ほんとにカッコイイ。ボクにはオーラが見えたよ。「Fun,Fun, Fun」の時に、ジェフリー・フォスケットの頭に、スコットがタンバリンを乗せる。それを落さないようにギターを弾くジェフリー。さらにそれを見て笑い転げるテイラー。スコットはいたずらしまくりで、テイラー大笑い。ほんとに楽しそうなステージでしたね。

最後の「Love And Mercy」は、今までに聴いたどの「Love And Mercy」よりも、美しかった。ほんとに素晴らしいボーカルだった。奇跡かと思ったくらい。

やはり今日の目玉は 「You're So Good To Me」でしょうね。突然だったので、驚いたよなぁ。


2月23日 ブライアン・ウィルソン サイン会(渋谷HMV

たまたま入った渋谷HMVで、偶然発見した「ブライアン・ウィルソン・サイン会」の告知。2月8日のことでした。動揺しつつも手に入れた整理券の番号は11番。先着50名のみということだったけど、まだ情報自体がほとんど知られていなかったようで、その二日後の夜くらいまで、整理券は残ってたらしいですね。

そしてやってきたサイン会当日。開始時間の5分くらい前に店内に入ってみると、すでに満員状態。整理券を持ってる人のみが、番号順に指定エリアに入るワケだが、幸いボクは最前列を確保できました。始るまであと10分くらいあるというのに、ブライアンが奥でチョロチョロしてるのが丸見えです。司会者が、“それでは、ブライアン・ウィルソンさんで~す”と言い終わる前に、勝手にブライアン登場。

例によって簡単な挨拶があった後、早速サイン開始。ボクは5番目くらいにしてもらったんだけど、サインを書き終わった後のブライアンに右手を差出したら、ちゃんと握手してくれましたね。ただし、マジックは握ったままでした。この時、“Nice to meet you”と言ったら、“ニコッ”と赤ちゃんみたいな笑顔をしてくれました。ちなみに、ボクが書いてもらったのは、「Good Vibrations」 のオランダ盤シングルジャケットです。

せっかくの最前列でも、サインを貰ったらエリア外に出なくてはならず、他の人が終わるまで、後ろの方で見守ることに。僅か10分で50人分が終了し、最後にHMVから花束を貰い、早々と引き上げるブライアン。今回は前回の時のような“うれしいハプニング”は無く、整理券を持ってない人にとっては、ちょっと気の毒だったかも。

たった13分の短いイベントだったけど、幸運な50名にとっては、一生の宝物になったに違いありません。



サイン会の模様を報道したWEBサイト
●報知新聞より
●報知新聞のミラー
●ファミ通.COMより
●ファミ通.COMのミラー


2月25日 愛知県芸術劇場大ホール

ほぼ開場時間どおりに、愛知県芸術劇場大ホールに着いてみると、すでに長蛇の列でした。サイン入りポスターを手に入れようとしてる人達でしょうか?ところが、そんなファン心理を裏切るかのように、本日のポスター販売は、抽選ということでした。希望者は用紙に名前を記入し、公演終了後に当選者を発表するとのこと。グッズ売り場の人の態度があまりにひどくて、不満を漏らす人多数。結果的には、抽選で20名に販売されたようです。おまけに、本日の当日券は、前売りより1000円高い、9500円だったのです!(勿論、他会場はすべて8500円でした)。係員やグッズ売り場のオネエチャンの態度も最低だったうえに、これだもん。これって、サンデーフォークが悪いの?

と、開演前からイヤな気分を味わってしまったけど、勿論、ブライアン御一行が素晴らしいステージを展開してくれたのは、言うまでもありません。定刻ジャストの19:00にメンバー登場。今日のブライアンの服装は、前回来日時に着ていたような、黒っぽいシャツでした。先日疑問に思った「Your magination」での、頭を撫でるように見えたアクションは、頭を指差す仕草だったということがわかりました。“ここで想像するんだよ”ってことか?「You're So Good To Me」は、今日も演奏されましたね。この曲では、ボブ・リジックもコーラスに加わってました。「Don't Worry Baby」におけるマイク・ラブのパートって、スコットが歌ってたんですね。初めて気がつきましたよ。

今夜の“シガレットライタージョーク”は、なんと、フレンズメドレーとスマイルメドレーの間でした。まさかここでやるとは思いませんでしたね。ちなみに、ボクも初めてライターに火をつけてみました。「Surfs Up」という、どうしようもなく美しい曲の前に、客をあおるブライアン。次に演る曲が、アップテンポだろうとバラードだろうと、関係なしにあおるみたいですね、ブライアンて。

第一部終了後、約20分間の休憩(ジェフリーは“15minutes”と言ってたが・・・)。これは東京公演初日と、ちょうど正反対ですな。

第二部は、ブライアンを先頭に、メンバー登場。したがって、メンバー紹介はありませんでした。

「Wouldn't It Be Nice」のカウントをジム・ハインズが始めたところで、ブライアンは唐突にストップさせてしまう。さんざん喋った挙句、“No Smoking”と、わけのわからないこと言い出す始末。そのせいかはわからないけど、続く「You Still Believe In Me」の2コーラス目で歌詞がとんでしまい、ハミングでごまかす。

「Good Vibrations」が始る前に、なんとスコットが“Everybody stand up!”と言ってしまいました。間髪入れずにブライアンが言い直したけど。“それはオレのセリフだろうが!”って表情をしてましたね、ブライアン。そのことが悔しかったのかどうかはわからないけど、いつもだったら、この曲の演奏が終らないうちにステージそでへ引っ込んでしまうのに、今日は、ほぼ最後まで残ってましたね。

で、「Help Me, Rhonda」の前では何て言うのかと思ったら、“Everybody still stand up,don't sit down”と、微妙に変えてきました。「Fun, Fun, Fun」では、東京公演二日目と同様、スコットがジェフリーの頭にタンバリンを乗せたんだけど、その状態でジェフリーが左手でギターの弦を押えて、スコットがピッキングするという芸を披露。おまけにエンディング部では、アンディがスティックでニックのギターの弦を叩くという技まで披露(昔ベンチャーズがベースでやってたアレです)。このアンコール時、なぜかプロビンはヘルメットを被っていました。

最後の「Love And Mercy 」を歌い終わり、“Good night”と言ったあとに見せたブライアンの笑顔を見たら、なぜか涙がでた。



2月26日 福岡サンパレス

本日もサイン入りポスターの販売は、先着ではなく抽選(25名)でした。昨日と違って、グッズ売り場の人の対応が良かったので、ボクもエントリーすることに。ちなみに、入場時の手荷物検査があったのは、福岡のみでした。

とりあえずホール内に入って自分の席を確認してから、ロビーに出ようと思ってステージすぐ脇のドアを開けたんだけど、ひょっとしてこのドアからの出入りは禁止かも?(誘導燈の点いてないドアだった)なんて思いながら恐る恐る開けて進んで行ったら、向こうからアンディ・ペイリーが歩いてくるじゃありませんか!“わっ、アンディだ!”と固まってるうちにすれちがってしまい、なにもリアクションできませんでした。握手してもらえばよかったなぁ、なんて悔やんでいたら係員に見つかってしまい、つまみ出されてしまったオレ。

なんてことがありながら、ほぼ定刻どおりの19:01にスタート。今夜のブライアンは、黒の長袖ポロシャツという装いでした。どうでもいいことだが、ブライアンって椅子に座る時、いつも左足からまたぎますね。で、座ったら左足は椅子の下部に引っ掛けて、右足はキーボードスタンドの足の部分に乗せる、というのが定位置みたい。

正直なところ寂しい客の入りだったので、「Forever」の前のMCで、ブライアンが客電を点けるように指示した時は、胸が詰まる思いがしました。しかし、これが逆にブライアン御一行に火を点けるきっかけになろうとは、この時は知るよしもありませんでした。

「Sail On, Sailor」の時に、プロビンのシールドが死んだらしく、自分のバッグの中から新しいシールドを出して、ゴソゴソと差し替えてましたね。ちゃんとバッグをステージまで持ってきてるというのが、なんともプロビンらしいというか・・・。本日の“シガレットライタージョーク”は「Please Let Me Wonder」の前でした。 「Desert Drive」におけるブライアンの手拍子は、ナゼか頭打ち。「Surfs Up」のエンディング時の裏打ちは、なんだかとてもカッコイイんだが・・・。
「 Our Prayer」のコーラスに、ジム・ハインズが加わってたということに、初めて気付きました。不覚なり。「Marcella」の時に、早くも“Everybody stand up!”。

休憩時間中、チョロチョロとステージの脇から顔を出すブライアン。休憩後のメンバー紹介は、今夜もありませんでした。「Let's Go Away For Awhile」前のMC中にゲップをしてしまい、思わず謝ってしまう。ブライアンのゲップが聞けたのは、福岡のファンのみだ(だからどうだってワケじゃないが)。

アンコールで再登場する時は、走って出てきましたね。そのおかげで、バンドメンバーも走らざるおえないハメに。「Help Me, Rhonda」のあとに、“Great audience Yeah~!”とシャウト。そして「Barbara Ann」でベースを弾く際には、踊りながら弾いてましたね。さらに「Surfin' USA」間奏部では、立ち上がって手拍子。二度目のアンコール時も走って登場。

ボクが思うに、観客が少なかったからこそ、逆に“最高のパフォーマンスを見せてやろうじゃないか!”と、ブライアンバンドが全力以上のものを出したステージのような気がした。そしてブライアンが“Great audience Yeah~!”と言ったことからもわかるように、福岡のオーディエンスは最高でしたね。ボクが流した涙も過去最大量。最高の一夜でした。

終演後発表されたサイン入りポスター当選者の中に、ボクの名前があることを発見!どこまでボクのブライアン運はいいんだ?怖いくらい。

サイン入りポスター(博多内の某ホテルで撮影)
ブライアン・ウィルソンのサイン入りポスター


2月27日 NHK大阪ホール

本日のポスター販売は、久しぶりに先着順でしたね。これは土地柄か?もし抽選で当ったら、友達にあげようと思ってたんだが・・・。残念。

開場時間が他会場よりも遅い18:30ということもあったのか、ステージにメンバーが登場したのは、定刻よりも若干遅れて19:05でした。今夜のブライアンは、昨日とほぼ同じ服装でしたね。微妙に違うけど。

「'Til I Die」のイントロのヴァイブで、やたら“beautifu!”を連発したり、「In My Room」のイントロをなかなか弾きださないジェフリーに、厳しい視線を送ってみたり。

今夜のステージの前半、バスドラ前にセットしたマイクの調子が悪かったみたいで、やたらブチブチとノイズを発してました。「Friends」が終ったところでスタッフがなんらかの処置をしたので、それ以降は問題ありませんでしたが。

今夜の、“シガレットライタージョーク”は、「Surfs Up」の前でした。「Marcella」の時に、“Everybody stand up!”。ブライアン自身も、曲の途中で立って歌ってましたね。最後の部分のリフレインで、今までにはなかったフェイクまで登場。休憩前にジェフリーが、“オーサカ、ドーモアリガト!”と一言。

休憩後、東京公演二日目以来のメンバー紹介がありました。ジェフリー・フォスケットが一人一人名前を呼んでステージに登場してくるんだけど、ステージに現れた瞬間、止まって何かポーズをするんですよ、全員。ボブ・リジックやアンディ・ペイリーまでアレをやった時は、驚きましたね。

第二部以降のテイラー・ミルズは、珍しくジーンズ姿でした。今回も彼女は、全日程前半後半で衣装を替えましたね。合計10パターン。どれもお美しい姿でした。そういえば、婚約されたそうですね。おめでとうございます。あなたとのツーショット写真は家宝にしますよ。

『Pet Sounds』全曲披露の後、いつものようにスタンディングオベーション。さらにあおるように、“Everybody stand up!”。 「Good Vibrations」の “♪Gotta keep those lovin' good vibrations a happenin' with her”の部分で、観客が自然発生的にコーラス。ブライアンも思わず“Very Good!”と笑顔。この観客コーラスがここまで揃ったのは、大阪が初めてでしたね。

アンコール時は、昨日に続いて走って登場。いつもはバラード系の曲で見せる“糸巻きポーズ”を「Help Me, Rhonda」でも披露。巻きまくってました。 「Barbara Ann」の間奏のサックスソロでは、ポール、プロビン、ブライアン、ジェフリー、と横一列になって、ネックを下げて弾くポーズ。「Surfin' USA」の曲紹介をした後、 “Jeff, take a Way!”と指示を出してからジェフリー・フォスケットがイントロを弾くという、メチャクチャかっこいい展開。「Fun, Fun, Fun」を歌い終わり、東京初日同様、スコットからタンバリンを受け取って、笑顔でステージそでへ。

「Love And Mercy」の最後で、通常だったらジム・ハインズがドラムセットの位置に戻ってシンバルを鳴らすんだけど、今夜はそれがありませんでした。

昨日の福岡公演を見終わって、“これがベストライブだな”と思ったけど、 あっさりと覆ってしまいました。前回の来日と比べて、今回はブライアンの声がよく出ててた、なんて意見はよく見かけるけど、今夜のブライアンのボーカルは、尋常じゃなかったですよ。東京、名古屋、福岡とは別人みたいだった。どうしちゃったの、ブライアン?ってくらい。特に、「Your Imagination」以降。勿論、感動はしてるんだけど、唖然としてしまって、固まってましたね、ボク。日本公演最後で、こんなスゴイものを聴かせてくれるとは・・・。“大阪マジック”としか思えないなぁ、これ。歴史的な一夜でしょう、どう考えても。

前回の来日は大阪が初日で、あの時のお客さんが、その後のブライアンを後押ししたと言っても過言ではないと思う。そして今日、会場に集ったファン。“GREAT!”としか言えませんね。今夜は立ち見もでたとか。ブライアンにとって、大阪は特別の地になりましたね。確実に。

もし次回ブライアンが来日することがあったら、大阪公演だけは、絶対に見逃すことはできませんよ。>全てのブライアン・ウィルソン・ファンへ。


全公演を終えて・・・

一時は廃人同然で寝たきりだった人が、ステージに上がってライブをこなし、ツアーにまででてしまった。その伝説化した人物を一目見れるだけで十分じゃないか、と、コンサート会場へ行ってみたら、意外なほど元気な姿がそこにありました。まだまだイケるぜブライアン、というのが、前回1999年の来日公演後に、よく耳にした感想でした。

そしてソロとして二度目となった今回の来日公演。最近の音源はブートレッグ等で聴いてはいたものの、生で聞くと、力強くなったボーカルに、より一層驚かされました。そしてなんといっても、完全無敵なブライアンバンド。アンディ・ペイリーの加入によって、演奏&コーラスがさらにパワーアップし、どんな複雑な曲でも忠実に再現してくれました。会場によっては、お客さんの入りが芳しくないところもあったけど、集った一人一人の思い入れみたいなものは尋常ではなく、明らかに他のアーティストのライブ会場とは違う“気”のようなものが漂ってました。その思いに応えるように、ブライアン達は、連夜の素晴らしいステージを展開してくれました。

前回の来日公演最終日を見終わった後、感動と同時に、多少、感傷的な気持ちになりました。しかし今回は違います。なぜなら、必ずまた日本に戻ってきてくれる!と、確信したから。

“The GREAT Brian Wilson!”

素晴らしい音楽をありがとう。きっとまた会えると信じてます。



皆さんのライブレポート

catfishさんからのレポート(2002.02.24 追加) 

東京国際フォ-ラムホールA (2002.02.21,2002.02.22)

ブライアン公演の模様を、反芻すしたくてあちこち捜しましたが、きちんとセットリストも載せていたのは、こちら位でしたね。丁寧で詳細なリポートに関心しました。1日目で“アイ・ゲット・アラウンド”を前半で演ったというのは、僕の記憶違いですかね、やっぱり?さて、本来は旅のサイトをやってて、この半年旅してましたが、ブライアン見たさに、一時帰国中の身です。リポートはあんまり長いもんで、詳しくはこちら(http://catfish2001.tripod.co.jp/BRIAN02.html)をよかったら、ご覧いただければと思いますが、とにかく今回はブライアンの歌のうまさが印象に残りました。次はもう「スマイル・ツアー」でしょう。あの元気ならマジでやりかねないと思いますよ!


ちびさんからのレポート(2002.02.26 追加)

東京国際フォ-ラムホールA (2002.02.21,2002.02.22)

ビーチボーイズの曲を自覚したのは数年前、偶然にNHKが深夜に流していた”永遠のロック&ポップス”を見てからでした。そのすばらいいハーモニーにひかれ、夜型でもない私が2夜連続興奮してました。そして、レコード店(死語?)に走り、まず購入したのはペット・サウンドとベスト版(イギリス版の29曲)。聴いてみると、すでに潜在意識に刷り込まれたくらい聞き覚えのある曲がどっさり。世界が開けた気がしました。それまで、ポップ系には”はまる”ことはなく、むしろクラシックファンだったのです。バッハとかドイツリートが好きだったので、歌への興味はあったのですが。ビーチボーイズのハーモニーは凄い。涙。。。God only knowsはバッハかいな?と思ったら、、それに近いような解説を読んだ気もします。そして、皆さん方と同じく、彼らの人生についても読み、、、ああもう生ブライアンを聴くことはできないのかと寂しい限りでした。だから?前回の日本公演は気づいたときは終わってました。新聞の評を読んで、ああ~なんてバカなことをと数ヶ月落ち込みました。その後、ネットでBB5情報を見るようになり、再来日の可能性を読み、あきらめつつ期待し、ついに前売り予告を見たときには躍り上がりました。そして悲惨なテロ事件による延期。。。飛行機嫌いというブライアンはほんとに来るのか???

ほんとに来てくれたのね。ブライアンと彼のすばらしいチーム。ありがとう!

発売日に東京公演を両日ゲットしました。木曜日は無理やり?友人をさそって。なにせ、ポップ系のコンサート行くのは初めてで(爆)

みんな立ち上がったりするの?とか妙に緊張して(笑)。

年休を取り、気合を入れて2時間前に会場へ。入り口しまってる!誰もいない。ちょっと~寂しいじゃない。今思えば、大失敗!並んでればブライアンに会えたかも(なわけないか?)サイン入りポスターをゲットすべきであった。友人と落ち合い、軽く食べて18:15くらいに入場。あれ~ 売り場にものすごい並んでるよ。壁際にホールを半周してるぞ!!!買ってたら始まっちゃう?? でも並ぶ。”ポスター売り切れ”の声が。あ~あ。とにかくパンフ2500円を買う。CD”Live at the Roxy theater”3300円も。これ探してたんだ!近所の新星堂ではことわられたし・・・Tower Recordにあるという情報もあったが場所がわからんし、、、

いよいよ開幕。来るぞ来るぞ彼が!なんかいきなり始まるのね。おーTill I dieだ好きなんだこれーえ、ここでDance dance dance?これも好きだあー あれ?皆さん立ち上がったりはしないのね?(てっきり立ち上がると思った)あとは、kazzさまcatfishさまのレポのとおりであります。 

2日目は仕事があ。あー京浜東北がとまってるう。タクシーだあ。とまた火の車状態でした。それでも3曲終わってた、、、

しかし、あんなにたくさんやってくれるなんて。あんなに機嫌がいいなんて。あんなに(思ったより)声が出るなんて。もうファルセットはキツイですが、、、でも出てる曲もあった。Dont talkなんてきれいでしたよ。

怒涛のアンコールも涙でそうでした。Good vibration から始まり、helpmeRhonda surfergirl。まったく休みなしに、バーバーラアン、surfin USA、Igetaroud、funfunfun でしたっけ?順番???すごいですわ。いちどひきあげて最後にやったLove & marcy あれはブライアン弾き語りですか?よく見えなかったのです。

それと、ペットサウンドの2曲はけっこうファルセット?出てるような??? ど素人の耳ですが。God only knowは 余裕に歌えているような。きれいでした。Dont worry baby も初日より今日のほうが歌えたような。Smileのアカペラは2日ともすばらしかった。ここは教会?そしてHeroes & Villains はブライアンもノリノリ。

会場に若い人が多いのも嬉しかった!!!20台30台の人が大半に見えたのだが。。。ビーチボーイズは不滅です。

帰宅後、なんとなく見てたアリー マイ ラブ (NHKアメリカ番組)にI get Around が流れてたので思わず反応してしまった。全曲。びっしり。舞台がロサンゼルスだったから。もはや風景の一部です。

全く音楽的価値ゼロのレポですみません。おわびに情報を、、、2日目にブライアンが来ていたシャツは黒字に白の”星”が一面!という代物。あれは誰の趣味?2日目はよく見ようと1時間以上は双眼鏡を覗いていたので間違いありません。・・・ワタクシは相当に怪しいヤツでした(汗)でも、本物が歌ってるヨ!あの頭かきポーズは、頭にイマジネーションの意味なのね!あのベース一応弾いてるみたいだゾ!と楽しかったです。ほんとは初日に観察して?2日目は余裕で耳だけに徹したかったのですが。

買い物したい方は 上記のほかにT-シャツ 3000円、ポロシャツ5000円。本:ビーチボーイズ コンプリート2001 3800円  ビーチボーイズ(東京FM)1714円DVD:ビーチボーイズ エンドレスハーモニー 5800円(これは税込み)ジェフリーほかのCDもあったです。福岡、大阪にいかれる方の参考になれば幸いです。



しんじさんからのレポート(2002.02.28 追加)

NHK大坂ホール (2002.02.27)

行ってきました、大坂公演。とてもいいコンサートでした。ビーチボーイズブライアン・ウィルソンについてあまりよく知らなくて、9月の時点では行く気はありませんでした(ペットサウンズは持っていましたが)。延期になったときいて、これは神様が「行って来い!」と背中を押しているのか?と思い、押されてきたら素晴らしいものを見せてもらいました。

スタートしてしばらくは、「なんだこの歌が下手なおっさんは?しかも服がダサイ!」などと突っ込む余裕もありましたが、中盤以降すっかり入り込んでいました。ペットサウンズも後半にさしかかった頃にはもう全肯定です。

一言で形容すらならば、幸せに溢れていたコンサートでした。大げさではなく、終わったあと心が本当に軽くなりました。こんな気持ちにさせてくれた、あの場にいたすべての人々に感謝でいっぱいです。私はそこそこコンサートは観ているほうだと思いますが、昨日の観客は最高でした。

最高のミュージシャン、最高の観客、素晴らしいホール。Mr.ウィルソンはやたらアリガトウを連発してあまりありがたみが無かったですが、そんな気持ちも分からなくも無い思い出に残る素晴らしい夜でした。



heronさんからのレポート(2002.03.02 追加)

東京国際フォーラムホールA (2002.02.21)

Title:何が凄いのか が判った時

初めてブライアンを見たのは前回の来日公演の初日。大阪フェスティバルホールです。洋楽そのものを余り耳にしない私にとって、外人さんのLIVEは友達に誘われて行ことしかないのです。前回は、チケットを余らせてしまったので。。。ってことで有難く買わせて頂いて行きました。前回はわけもわからず、隣りのおじさんは「ブライアーン!」って絶叫するし、そしておいおい男泣きだし、それがその人だけではなくてみんなそんな感じでした。演奏も素晴らしく、ああいいLIVEだったなって思ったものです。

今回、管理人さんのサイトは朝ご飯代わりに長年見ているのですが、その管理人さんのあつーい想いと、前回のあの何ともいえない感覚、そして私が一番良く聴いていて、一番最初に買った「PetSounds」のツアーってことで、自らチケットを買って、しかも一人で初日に行ってきました。

多分お客は少ないなと思っていた悪い予感は大正解で、2階席は人が居ませんでした。でも、前回の大阪フェスティバルホール同様、管理人さんもきっと発してたんだと思うのですが、ブライアンを深く愛するそんなオーラがビンビンで会場に、いやロビーに入った瞬間に今日は絶対良いLIVEになるって確信できた気がします。

曲の知識も殆ど無いので細かいこと書けませんが、メンバーが入った瞬間のあの拍手、ブライアンを迎えたときのあの空気、何と表現してよいのか判りません。それは多分あそこあの場所に居た人でしか判らない、そういう想いをもってきた人でしか感じられない、どうやったって表現できない「空間」でした。満員のお客で地響きのような拍手と声で。。。ってことは経験したことがあるのですが、今回の場合、お客の入りなんて関係なく心からの歓迎。本当に素敵でしたね。前半が終わって、休憩時間、私は電話しまくっていました。このLIVEがどんなに素晴らしいか、伝えたくてしょうがなかったんです。

そして後半、事前の予備知識が何もなかった為、まさか「PetSounds」全曲を演奏なんて思いもよらず、ただただ、ぼぉ~っと、夢心地でした。だって、生なんですよ!今だって信じられない。日本公演が終わった今も本当にもう一回意識して聴きなおしたいって強く強く思ってます。もうアンコール頃になるとはっきり言って一人で行ったことが本当に良かったって思ってました。崩れてましたからね私。通路の横の席だったのでバリアフリー対応の通路は広くもう、私に踊りなさいあなたのステージはココよって言わんばかり。いや~本当に楽しかったです。

ホールを出た後、エスカレーターの前のおっちゃんが一緒に来たとおもわれる人に「ブライアンってあんまり歌上手くないね。でもそんな事言っちゃいけないって思った」って言ってました。多分その人は前回のツアーの私と一緒。そんなこと既にどうでも良くてあの空間に居れた幸せをなぁ~んとなく感じてるわけです。私は2回行って初めてはっきり判りました。ブライアンの何が素晴らしいか。作品もそうだけれど、彼の存在そのもの。彼が、演奏者・観客を呼び寄せひきつけたその力。やっぱり天才とか神様って言われるのはそんなところもある気がします。

ありがとうブライアン。そしてあの空間に居た素敵な皆さん。
また何処かで近いうちに私にも最大の「歓迎」の拍手させてください。<



島田@青梅さんからのレポート(2002.03.05 追加

東京国際フォーラムホールA (2002.02.21)

ついにこの日がやってまいりました。到着したのは夕方の6時、すでに会場前にはかなりの人が集まっていました。ダフ屋は一人もいませんでした。そしてすぐに開場。おやおやみなさん、お行儀が悪い。みんな一目散に駆けていきます。「走らないでーー」と係員の声。何故みんなそんなに急いでいるのだろう?グッズが売切れてしまうから?その時の僕はまだ知る由もありませんでした。僕もグッズ欲しさに行列に加わりました。並んで10分ほどして、係員の声。「サイン入りポスターは、只今を持ちまして完売いたしました!」・・・何ぃ?サイン入りポスター?知らなかった~!なるほど、みなさんが一目散に駆けて行った意味が今ごろわかりました。んー・・・ショック。でも明日がある。・・・うんうん。(ちなみにこの日は、限定20本だったようです) 結局僕は、パンフ2部とMサイズの黒・白Tシャツ、黒・白ポロシャツをゲットしました。そして、CDコーナーにてロキシーCD日本盤もゲット。その他にも、地球音楽ライブラリの本やバンドスコア、オリジナルCD、そしてDVDなどもあったようです。

少し時間があったので、まずはサンドイッチで腹ごしらえ。そして喫煙コーナーで一服して緊張をほぐします。・・・そろそろです。
 
開演20分前。ついにホール入り。おー、2年半前の感動がよみがえってきます。これだよ、これ・・・。係員に席を案内してもらい着席。深呼吸してあらためてステージを眺めます。うおー、こんな前だ!僕の席は1F16列目。しかもど真ん中でした。肉眼でブライアンのしわの本数が数えられそうです(爆!)。
 
会場を見渡すと、もうかなりお客さんが埋まってきていました。(後日談ですが、この日のお客の入りはイマイチだったようです。特別に2階席のお客さんを1階席に移動させたようです。そのため2階席はガラガラだったとか)そうしているうちに、次第に開演時間が刻々と迫ってきました。

いよいよ開演です。予定より10分遅れの7時10分。客電が消え、ブライアン、メンバーがついに登場しました!
 
この瞬間を待っていた!前回の来日のような凝ったオープニングではなく、ずいぶんラフな登場でした。ブライアンは黒地に星条旗柄のトレーナーを着て登場。これはラルフローレンかな?前回もラルフローレンのシャツでしたからね。メンバー全員定位置に着き、いよいよです。

まずは、最近のライブではおなじみの「Brian Wilson」、「'Til I Die」からスタート。ここらへんは言うまでもないでしょう。みんな真剣に聴き入ってます。無論僕も。ライブ全体としていえることですが、注目すべきは、ブライアンは歌っている間中、歌詞に合わせてジェスチャーしてみたり、両腕を横に振ってリズムをとってみたり、頻繁に体を動かしていたこと。そして曲間では終始笑顔で、「Thank you!」、「アリガト」を連発していました。
 
そしてお次は「Dance,Dance,Dance」。いきなりノリノリのナンバーに入り、みんな立つかと思いきや・・・誰も立とうとはしませんねえ。みんなお行儀がいいです。僕は座りながらも体でリズムをとっていました。
 
そして「In My Room」では、ブライアン自らキーボードを演奏。”キーボードはステージでブライアンをリラックスさせるための道具だ”と誰かが言ってたけど、ブライアンまだまだ大丈夫です。

ライブではもうおなじみの「California Girls」、そして、これはライブではめずらしい「The Warmth Of The Sun」、そして「Your Imagination」と続きます。それにしても、バンドは演奏がうまい。さすがです。それにブライアンの声もちゃんと出てるし。

そしてその後、「デニスにささげる~」と紹介し、目玉の「Forever」を唄います。じーんときますね。

「Sail On Sailor」、「Add Some Music To Your Day」と中堅どころが続き、「Please Let Me Wonder」へ。出だしでとちりましたがまずまずの出来。間奏のビブラフォン(ダリアン)とギター(ジェフリー)の掛け合いのところで、ブライアンが左のダリアン、右のジェフリーを交互にあっち、こっちと手で示すしぐさがお茶目でした(笑)。

「Don't Worry Baby」のあと、アンディペイリーを紹介して、例の未発表セッション曲「Desert Drive」へ。この曲知ってた人って少なかったんじゃないかなあ・・・?この曲は、来日前から期待されてましたね。ヨーロッパツアーでもやったみたいですし。そして、ここで例の”シガレット・ライタージョーク”の登場です。「たばこのライターは何本?」、「No Smoking!」っていうあれですね。この日は何本だっけ?僕もとっさにライター出そうとしたけど、タイミングを逸してしまいました。

そして、お次もまたまた目玉が登場!フレンズメドレー「Meant For You」、「Friends」・・・これは素晴らしいです。「Meant For You」のラストの"you you you..."のハーモニーが次第に一人ずつフェードアウトしていき、「FRIENDS」のイントロにつながるところなんて、もう言葉もでないほど素晴らしいです。そしてそのままスマイルメドレー「Our Prayer」、「Heroes And Villains」、「Surf's Up」へ突入。この構成は、やってくれます。「Our Prayer」は、オリジナルに近い美しさがありました。「Heroes And Villains」もオリジナルにほとんど忠実でした。そしてなんといっても「Surf's Up」です。まさかこの曲をやってくれるなんて夢にも思いませんでした。あのヒストリービデオとかで見ていた映像をじかに体験できるなんて・・・といろんな思いが交錯します。できればブライアンの弾き語りを見たかったですが、それは欲張りかな・・・(ダリアンが弾いてました)。

そしてこれも珍しい「Marcella」。そしてもう定番となっている「Do It Again」で盛り上がり、第一部が終了です。

ここで休憩時間・・・”20minutes!”とジェフリーは言っていましたが、実際には休憩時間は15分でした(笑)。
 
休憩時間。うー、凄すぎた前半戦。とりあえず喉が渇いたのでロビーにてビールを注文しちゃいました(笑)。他のみなさんはワインとか頼まれていた方が多かったです。コンサート会場でワインでっか(笑)。そうしているうちに、二部の開始を告げる合図が!お、おい、20分じゃなかったの(笑)??
 
さて、二部の開演です。待ちに待った『PET SOUNDS』全曲再現です! 唄い出しがまずまずだった「Wouldn't It Be Nice」から始まり、自転車のパフパフ音まで再現した「You Still Believe In Me」、そして、”僕じゃないよ~”の手振りがお茶めだった「That's Not Me」。完璧です。みんな真剣に聴きほれてます。「Don't Talk(Put Your Head On My Shoulder)」、「I'm Waiting For The Day」と続き、”ボーカルなし~”と紹介した「Let's Go Away For Awhile」。前回同様、指揮官よろしくバンドの方を向き、見守っておりました。そしておなじみの「Sloop John.B」と続き、”初めて「神」という言葉をタイトルにした”と紹介する「God Only Knows」。これもライブではもうおなじみの曲。何も言うことはありません。そして「I Know There's An Answer」。イントロの(ダリアンとスコット?の)キーボードの掛け合いがお見事でした!こんなにいい曲だったんだね!そして、「Here Today」、「I Just Wasn't Made For These Times」。「I Just Wasn't Made For These Times」では、ブライアンは出だしのコードを間違えてその後、慌てて直しました。見えにくかったのですが、ブロビンが演奏してるのはテルミンではなく、リボンコントローラ(シンセ?)のように見えました。(パンフにはテルミンをとのコメントがありましたが)。そして、次も”ボーカルなし~”と紹介して「Pet Sounds」。ラストのパーカッションとドラム(スコットとジム)の連打の掛け合いはかっこよかったです。二人ともムキになってませんでした?

そして名盤『PET SOUNDS』の締め、「Caroline,No」です。もう何も言うことはありません。ラストの電車と犬のSEが切なく流れ、ジェフリーの”THE GREAT BRIAN!”でブライアンがスポットライトを浴びます!そして、会場全体がスタンディングオベーションでブライアンを讃えます。この瞬間、僕は思いっきり鳥肌がたちました。・・・ステージは僕らに向けて、こう語りかけてくるようでした。”みなさん、今お聴きいただいたこの素晴らしい作品こそがブライアンが精魂込めて創った作品なのです。そして、そう、この人こそ、その張本人ブライアンウィルソンなのです”・・・と。僕は、そう感じると同時に自然に涙があふれてきました。どうしようもありませんでした。僕、いや僕らは、すごい瞬間にいたんだな、と実感し、すごく感動いたしました。ブライアン自身は意識していないかもしれませんが。

余韻を楽しむ暇もなく、第二部ラストの「Good Vibrations」へ。この流れ、もうたまりません。感動の雨アラレ状態です。大盛り上がりの中、演奏が終わらないうちにブライアンは袖に引き上げていきます。前回と同じですね(汗;

やはりなんといってもブライアンの唄もさることながら、バックの演奏のすばらしいこと。それに多種多彩。ギター担当がホルンやったり、トランペットやったりして。たとえばポールマーテンズ。サックス、フルートピッコロ、はたまた「I Know There's An Answer」ではベースハーモニカやったり、なんでもこなします。個人的には、テイラーミルズかな・・・。ステージに咲く”一輪の花”といった感じで、注目してみていました(笑)。

さて、「Good Vibrations」が終わり、メンバーは袖に引き上げて行きます。そして”アンコール”の掛け声をかける暇もなく、すぐさまブライアン登場。そしてメンバーも登場。アンコールの一曲目は「Surfer Girl」でした。おっと、またブライアン自身によるキーボード演奏です。うるうる。みんなお行儀良く聴いております。そして「Help Me,Rhonda」。・・・ここで、ブライアンの“Everybody Stand Up!!!”これまでの興奮が一気に噴きだしたのか、みんな一斉に立ち上がりノリノリ状態です。そして、「I Get Around」、「Barbara Ann」と一気にクライマックスへ!「Barbara Ann」のところで、ブライアンはジェフリーから何か手渡され、それを首からぶら下げます。そして、こちらを向いた瞬間、すごい大歓声。おー、ブライアンがベースを演奏するぞー!!!斜め45度にベースを掲げた独特なポーズをとるブライアン。この光景は、ファンにはもうたまりません。

そして、その後も「 Surfin' U.S.A.」、「Fun,Fun,Fun」と往年のサーフソングを熱唱。大盛り上がりのまま、またまたブライアンは演奏が終わらないうちに、袖に引き上げていきます(汗; 袖に引っ込む際に、客席に向かって小さく手を振って行くのも忘れていませんでした。

そして、二度目のアンコール。ライブの締めは、やはりこの曲「Love And Mercy」でしょう。例の忌まわしい事件あり、来日延期あり・・・ブライアンはどんなことを思いながらこの曲を歌っていたのでしょうか?会場は静かにこの曲を聴きいっていたようですが、私は小声ですが一緒にブライアンと唄いました。

全部唄い終わり、そしてカーテンコール。ブライアンをはじめメンバー全員でステージから僕らに向けて深々とお辞儀をしてくれました。お辞儀をしなきゃいけないのは僕らのほうなのに・・・そう思いました。そんなブライアンとメンバーに、僕らは思いっきり拍手しました。ありがとうブライアン!至福の時をありがとう!



中村孝夫さんからのレポート(2002.03.15 追加)

NHK大阪ホール (2002.02.27)

再びブライアン・ウィルソンのコンサートに行けるなんて夢にも思っていませんでした。それが実現しました。前回と同様、良い席を確保するために頑張りました。フェスティバルホールでは2列目でしたが、今回はC1列でした。まずまずでした。今回も会社を早引き(午後4時)し、会場には4時20分頃に着きました。ブライアンの野球帽を被った若い人が1名いました。時間があるのでコーヒーを飲みに行き、その後再び並びました。しばらくするとスタッフの人から「ブライアンのサイン入りポスター」が要りますか?と言う話。並んでいる人はもちろん全員が欲しいと言い、整理券を貰いました。20名様限定。「やった、これで間違いなく手に入る」---嬉しくてたまりませんでした。どこかのサイトでサイン入りポスターが販売されていたのを知っていました。ひょっとすると大阪でも販売されるかもと思っていました。もう、整理券が手に入れば並ぶ必要はありません。今日一緒にコンサートへ行く「家内と娘」を待ちました。家内がやって来て再びコーヒーを飲みに行き座っていると周りは「ビーチボーイズファン、ブライアンファン」ばっかりです。結構、年をとったオールドファンから若い娘さんまで。前回より、ファンが増えているのでは?と思った程でした。開場の時間になって入場と同時にツアーブックだけを買いました。会場はフェスティバルホールより少し狭く感じられました。会場は満席だったと思います。ビーチボーイズがブライアン抜きで、初めて桜橋のサンケイホールで公演をしたときは本当に客席はガラガラでした。後の席から前の席に移動してそのコンサートを見ました。その時と比べるとうそのようです。日本のファンも間違いなく数多くなったんですね。しかし、コンサートが始まっても、余り盛り上がって来ませんでした。私も前回の時の方が、感激度は間違いなく高かったと思います。だからブライアンも「一番大きな声を出した人に、この歌をプレゼントするよ」と言ったのだと思います。
 
「もうこのコンサートが最後になるかもしれないな」と思いながら聞きました。ブライアンの顔をしっかりと瞼に焼き付けました。ブライアンの声は良くなっていました。表情もありました。「フォーエバー」「サーフズアップ」「セイル・オン・セイラー」が聞けてるとは思っていませんでした。

15分の休み時間にブライアンの奥さんに気付きました。席に着くまで目で追いました。「関係者」の席に座っていらっしゃいました。そう、今、思い出しました。なぜ余り盛り上がらなかったのか。「関係者」の席が盛り上がらなかったせいです。ブライアンの目の前の一番いいところに「関係者」の席がありました。「関係者のみんなは仕事の目でコンサートを見ている」と思いました。前回は関係者でない私たちが、目の前に座れました。そしてファンとしてコンサートに参加できました。「ファンあってのコンサートなのに」。後半の曲名を忘れましたが、ブライアンの奥さん一人が席を立って拍手をしています。しかし、その周りの人は一人も立たなかった。これは事実です。ちょと横道にそれてしまいました。

私たちの前に数人のお嬢さんたちは大変頑張っていました。拍手にダンス、さらには「ブライアン」と書いた大きなカードを掲げての応援です。お父さん、お母さん、お嬢さん、そしてそのお友達かなと思いました。

ブライアンは今回も素晴らしいコンサートをプレゼントしてくれました。「ビーチボーイズ」が私の青春です。ブライアンのコンサートはもちろん良いのですが、マイク・ラブやアルやブルースと一緒の姿をもう一度みたいなと思います。そして新しい歌をもっと聴きたいと思います。

私の家には私一人の「ビーチボーイズルーム」があります。前回、娘が剥がしたポスターも、今回運良く手に入れたサイン入りポスターも『殿堂』に掲げています。



タッキーさんからのレポート(2002.03.20 追加)

東京国際フォーラムホールA (2002.02.22)

私は46歳でまさに中年のオジンですが、ブライアンへの思いだけは皆さんに負けませんよ。

コンサート後半の部ペットサウンズ最後の曲キャロライン・ノオが終わり列車の走り去るSEが流れた時、国際フォーラムの聴衆ほぼ全員が立ち上がり割れんばかりの拍手と会場全体を覆うようなウオ―という歓声、そしてあっちこっちから飛び交うブライアンと言う叫び、私も思わず叫んでしまいました。胸が引き裂かれそうになりジーンと目頭に熱くこみ上げてくるものがある。私はコンサートでこれほどの感動を味わったことは生まれてこの方一度もありませんでした。

ペットサウンズという1枚のアルバムの価値が、しかもブライアン本人が再現してくれる価値がこんなにもあるものとは、まったくわかりませんでした。

このようなことを他にできる人がいるのでしょうか。ポールだってサージェントペパーを最初から最後まで再現することはできません。なぜならルーシーインザスカイをポールは歌うことができないからです。歌っても意味がないからです。

私のビーチボーイズ歴はラジオでリアルタイムで聴いたのは中2の時アイキャンヒアーミュウジックからです。きれいな曲だなと思ったし、それ以前のヒット曲もたくさん聞き、いい曲がたくさんあるなあとも思いました。しかし、その当時はロックの状況が大きく動いておりました。ビーチボーイズはブライアンが精神的におかしくなって、もうよいアルバムが作れなくなった。過去のバンドになってしまった。という意味のことをラジオのDJが言っていたことを今でも鮮明に覚えています。そんな雰囲気から私もいつのまにかこんな軟弱バンドわざわざアルバムまで買って聴くほどのこともないと決めつていたのです。世界の多くのロックファンもそのような感じでいたので大傑作のサンフラワーがまったく見向きもされないと言う悲惨な結果に終わったのでしょう。クリーム、レッドツッペリン、イーグルス、ドービーブラザース、CSNYのようにアルバムをじっくり聴きこむバンドではなく、たまにベスト版を聞き流す程度のバンドでした。

ところが、昨年の夏たまたま房総の海にいったらサーフボードを持った若い女性がいてかわいい子だなあと思ったのと、4月に異動してきた部署の若い人がサーフィンをするというのを聞いたのと地元の図書館のCDコーナーにサーファーガールがあったので懐かしく借りてみたら結構よかったのでビーチボーイズのCDを次々聴いたらすごくよくて今回のブライアン来日公演へ行きついたのです。

まったく私は何を考えて生きてきたのだろうか。ブライアンさん許してくださいと懺悔したい気持ちでいっぱいです。この30年間の空白を取り戻し今遅れ馳せながらブライアン・オンリー・ユー状態でこれは一生続けていくつもりです。今燦然と輝き数々の名曲をプレゼントしてくれたブライアンにただただ感謝の気持ちでいっぱいです。



鈴木規文さんからのレポート(2002.03.21 追加)

東京国際フォーラムホールA (2002.02.22)

あの日から、もうすぐ1か月が経とうとしていますが、まだライブの熱気が体から離れません。

当日会場入りすると、なにやらステ-ジに人だかりが。向こうのスタッフの方が、キャラメルの付いた甘いポップコ-ンをお客さんに振舞っていました。「ブライアンから日本のファンに」ということなので、一緒に行った妻とそれをいただきました。場内の音楽は以外にもクラシック(前半終了後の休憩時はドン・ヘンリ-が。他の会場ではどうだったのかな?)。前回よりも若い人、女性も多く、私の席の周りには、お子様を連れの夫婦の方もいらっしゃって、だんだんファンの輪が広がってきているのかなと思いました。

そしていよいよブライアン登場! 黒地に白い星柄の入ったセ-タ-から赤いシャツの襟が出ている衣装。まさにアメリカなのだけど、嫌味な感じはまったくなくて、結構似合っていました。

私としては、今回のライブは(前回のライブレポ-トに意気込みを書かせていただいたとおり)、もうガンガンに盛り上がろうという気持ちでした。で、ブライアンがお客さんの声援に嬉しそうに笑顔を見せているのを見て、「ああ、ブライアンもお客さんと一緒になって盛り上がりたいんだな」と確信しました。

前半、まったく予想になかった「Dance,Dance,Dance」でこちらの興奮も一気に上昇。森勉さんのお店のTシャツ一枚になって、歌い、声援を送る。今回、「Kiss Me Baby」はなかったけれども、今のバンドにはトゥデイの楽曲は非常に合っている印象。残っている曲もいつか再現して欲しい。

肝心のブライアンのボ-カルは、前回の来日よりも高音まで無理なく出るようになり、音程も外さない。何度か咳き込むことがあってその度に心配したけれど、最後まで絶好調に歌いきりました。また、身振り手振りを交えて、ボ-カルで表現しきれない熱い思いを表現していました。「Your Imagination」では、手のひらを額にあて、それを天に向けるしぐさ(「‘Til I Die 」の時もやっていたかな)。不思議といわれる彼のしぐさも、曲や曲調に合わせてやっているのが良くわかりました。

また今回、改めて感動したのはジェフリ-・フォスケットです。エイドリアン・ベイカ-もファルセットの名手でしょうが、ブライアンというより、フランキ-・ヴァリのほうに近いかなと感じます。ジェフリ-のファルセットは、往年のブライアンのような天に届くような高音ではないけれど、透明感と品がある点でブライアンのファルセットに近く、声量も豊かで実にエモ-ショナルな響きがあります。そしてあの素的な人柄といい、やはり今のバンドのキ-・パ-ソンだなと感じました。まぁ、ブライアンの声の調子が良かっただけに、「ジェフリ-、フォロ-はちょっとやめてブライアンにもっと歌わせてあげて」と思ってしまうこともありましたが(笑)。

ライブの間、ブライアンの笑顔を見つめていて、今の彼の喜びは、自分の音楽の美しさ・楽しさをたくさんの人と分かち合うことにあるんだなと感じました。自分の音楽でお客さんをのせたいんだなぁと。もし次があるなら(絶対信じて待っています)、今回以上にもっと盛り上げるよ!

ブライアン!



BRIAN WILSON JAPAN LIVE BOOTLEG GUIDE


音質評価表(独断)

非常にツライ
★★ なんとか聴ける
★★★ まあまあ
★★★★ 良好
★★★★★ オフィシャル並み

ブライアン・ウィルソン名古屋公演
『Here Tonight』
日付 2002年2月25日
会場 愛知県芸術劇場大ホール
トータルタイム Disc1:62分20秒、Disc2:73分24秒
音質 ★★★
録音推定場所 1階席10列目前後?
購入日 2002年3月19日
購入店 名古屋市千種区 Cyberseekers
購入価格 4,800円

下で紹介してる東京公演二日目の『Love Is Here Today』に近い感じの音質。ノイズも少なく、非常に聴きやすい音で録れてます。

CDケース裏の曲目リストで、「Surfer Girl」の後が「I Get Around」になってますが、実際は勿論「Help Me, Rhonda」が正解で、ちゃんとCDにも収録されているので御安心を。


ブライアン・ウィルソン東京公演二日目
『A Dream Come True』
日付 2002年2月22日
会場 東京国際フォーラムホールA
トータルタイム Disc1:62分56秒、Disc2:74分13秒
音質 ★★★
録音推定場所 1階席20列目前後?
購入日 2002年3月17日
購入店 新宿XEPHYR
購入価格 6,500円

2002年の来日公演ブートとしては、初のプレスCD。同日のライブは、3タイトル目となります。1999年の来日公演東京二日目を、高音質のオーディエンス録音でリリースした「EVER GREEN」レーベルからの発売ということで期待してましたが、音質的には、既発タイトルの『Love Is Here Today』に軍配が挙るでしょう。録音場所も、こちらのほうが遠いと思われます。
“どうしても、プレスCDじゃなきゃイヤだ!”、“CD-Rなんて買う気しない”、という人以外は、『Love Is Here Today』をオススメします。


ブライアン・ウィルソン福岡公演
『Be Nice To Live Together』
日付 2002年2月26日
会場 福岡サンパレス
トータルタイム Disc1:63分48秒、Disc2:72分21秒
音質 ★★★★
録音推定場所 1階席5列目前後?
購入日 2002年3月9日
購入店 新宿XEPHYR
購入価格 5,800円

客席前方と思われる席での録音で、非常に良好な音質。現時点では、この盤がベストの音で録れていると思われます。録音者の両隣と思われる人の話し声が、若干入ってるのが惜しい。


ブライアン・ウィルソン東京公演二日目
『Love Is Here Today』
日付 2002年2月22日
会場 東京国際フォーラムホールA
トータルタイム Disc1:62分50秒、Disc2:74分28秒
音質 ★★★
録音推定場所 1階席10列目前後?
購入日 2002年3月9日
購入店 新宿POPBEAT
購入価格 5,800円

下で紹介した同日の盤よりも、こちらの方が2ランク上の音質。★4つに限りなく近い★3つ、といったところ。手拍子、歓声等も、ほとんど気にならない程度で、鑑賞するには全く問題ナシ。


ブライアン・ウィルソン東京公演二日目
『Everybody Stand Up! Let's Sing With Me』
日付 2002年2月22日
会場 東京国際フォーラムホールA
トータルタイム Disc1:62分57秒、Disc2:73分51秒
音質 ★★
録音推定場所 2階席?
購入日 2002年3月9日
購入店 渋谷MOTHERS tel-fax 03-3461-1134
購入価格 4,980円

非常に遠い席での録音と思われます。録音者か、その両隣と思われる人の手拍子、歓声が耳障りで、少々辛い。


ブライアン・ウィルソン大阪公演
『We Could Live Forever Tonight』
日付 2002年2月27日
会場 NHK大阪ホール
トータルタイム Disc1:63分07秒、Disc2:74分44秒
音質 ★★★
録音推定場所 1階席15列目前後?
購入日 2002年3月3日
購入店 新宿XEPHYR
購入価格 5,800円

最終日となった大阪公演を収録した、CD-R2枚組み。Disc2冒頭のメンバー紹介も、欠けることなくキッチリ収録されています。↓で紹介した東京初日のCD-Rと比べて、随分と聞きやすく臨場感のある音となってます(後半、若干ノイズが入る箇所があるのが惜しい)。

会場にいた人はアノ感動を再確認し、残念ながら来れなかった人は、最高に盛り上がった大阪公演を擬似体験してください。


ブライアン・ウィルソン東京公演初日
『THE PET SOUNDS TOUR IN TOKYO』
日付 2002年2月21日
会場 東京国際フォーラムホールA
トータルタイム Disc1:61分49秒、Disc2:72分30秒
音質 ★★
録音推定場所 1階席30列目前後?
購入日 2002年3月1日
購入店 新宿XEPHYR
購入価格 5,800円

コンサートから僅か1週間以内でリリースされた、CD-R2枚組み。勿論、ノーカットの完全収録です。こもり気味の音質で、ブート馴れしてない耳には辛いと思いますので、今後の高音質盤登場に期待したいところです。どうしても聴きたい、という人以外には、あまりおすすめできません。CD番号が「MELINDA DISC 001」というのは、冗談がキツイですね。
ちなみに、初回生産分のジャケットには「February 20th 2002」と表示されていますが、東京初日の2月21日の音源なのでお間違いなく。

このように、表示と内容が違うことがブートレッグではよくありますが、今回の「PET SOUNDS TOUR」日本公演は、「cigarette lighter joke」が入る箇所で、容易に日付の判別がつきます。

参考までに記しておくと、
・2月21日東京国際フォーラムホールA:「Desert Drive」 の後
・2月22日東京国際フォーラムホールA:「Please Let Me Wonder」の後
・2月25日愛知県芸術劇場大ホール:「Friends」の後
・2月26日福岡サンパレス:「Add Some Music To Your Day」の後
・2月27日NHK大阪ホール:「Heroes And Villains」の後

となります。