2000年12月(旧サイトより移行)

●12月1日(金)

行ってきました、ジェフ・ベック来日公演初日@東京国際フォーラム。約10年ぶりの来日で、やたらと盛り上がった昨年と比べ、2年連続となる今年は、やけにおとなしいオーディエンス。演奏自体は、いつもどおりの素晴らしいものだったんだけどね。とにかくこの人って、トーン・ニュアンスの絶妙な使い分けが神業的で、鳥肌が立つこと数回。今回は、ジェニファー・バトゥンがボーカルをとるナンバーもあったりなんかして、昨年とは別な楽しみもアリ。が、彼のライブでは定番になってるアノ代表曲が演奏されなかったりもして・・・。でも、そんなところが彼らしくもあるかな。決して“ナツメロ・ショー”じゃない、現在進行形のトンガリ方が、いつまでもボクを虜にする要因でしょう。

で、会場が東京国際フォーラムならば、きっとアソコに泊まってるに違いないと思った方、ブーッでした。でも、クリスマスのイルミネーションがキレイだったから、それだけで満足して素直に帰宅。ジェフ・ベックって人には思い入れが強すぎて、きっと会っても話しかけることなんて出来ないだろうな。でも言いたい事は沢山あるんだよ。複雑なファン心理ってヤツです。



●12月6日(水)

先日の日曜日に見に行った、『PONTA BOX meets YOSHIDA MINAKO again!』や、昨日行ったジェフ・ベック東京公演最終日のことなど、いろいろ書きたいこともあったんだけど、聖子がさぁ...。まぁ、“♪離婚も2度目なら、少しは上手に~”ってワケじゃないけど、最初聞いた時も、さほど驚かなかったですよ、ボク。それとも、今の彼女に対する興味が薄れてきちゃったのかなぁ、なんて思ってみたり。でも、いまだにスポーツ新聞の一面を独占するだけの影響力がまだ彼女に残っていたことが、チョットうれしかったりもする、複雑な気分です。

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独特の作詞センスが、ボクのまわりで大ウケ中の反町隆史が、2年ぶりにアルバムを発売しました。昨日のトーク・ライブでは御機嫌斜めだったみたいですが、気持ちはいつも穏やかなのがいいですね、ポイズン。今回のアルバムも必聴なので、中古屋で100円以下で売ってたら、即GETしましょうね、ポイズン。



●12月7日(木)

最近、偶然にも松田聖子の「Sweet Memories」のカバーを、2パターン聴く機会があったんだけど、それぞれの解釈の仕方が、全く別の方向を向いてて非常に楽しめましたね。ひとつは、CHAR、山崎まさよし斉藤和義によるセッションだったんだけど、まぁ、アリガチな“アンプラグドでござい”ってなやつで、可もなく不可もなくというところ。で、問題なのは、もう一方のJUDY AND MARYバージョン。これが意表を突くロッカ・バラード風なアレンジで、スバラシイ出来でした。特にTAKUYAのギター・ワークが絶品で、すっかり彼のファンになってしまったよボクは。きっとTAKUYAクンもブライアン・セッツアー(祝・来日決定!)好きなんだろうなぁ。

というワケで強引な“ブライアン繋がり”なんだけど、koichi ito さんから、昨年のブライアン・ウィルソン大阪フェスライブのレポートを頂きましたので、“BRIAN WILSON LIVE REPORT”に追加しておきました。もう、あれから一年5ヶ月かぁ。ホントに来年、また会えるのかなぁ。



●12月11日(月)

やたらと、“20世紀を振り返る”人達が多い昨今。アナタも振り返ってますか?でもさぁ、ほんの数十年しか生きてない人に振り返られたら、20世紀もいいメイワクかもよ?。“蟹江ぎんさん”とかが意見を言うならまだしもね。でもボク達は、昭和から平成にかわる瞬間にも立ち会ったワケで、なかなかスリリングな時代に生まれてきたもんだなぁ、なんてシミジミしてみたり。

で、待望の“ミニスカサンタ”にやっと会えたんだが、これがなんとも、厚化粧の金髪外人バージョン。場末のキャバレー(超死語)から飛び出してきたような振る舞いは、なかなかの味わいでした。同行していたサンタクロース(これも外人)が、強引に握手を求めてきたんだが、異常に握力が強くて、手が壊れそうでした。あの力で握手されたら、子供だったら、ひとたまりもないでしょう。“優しいサンタクロース”というイメージを損なう恐れがあるので、ココを見てる“雇われサンタ”の皆さんは、十分に気をつけてくださいね。

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別にリクエストがあったワケじゃないけど、今年も選出してみましょう、“マイ・ベスト・アルバム賞”。既に、買った日に予告したとおり、あっさり決ってしまったワケだけど、これは、J・マスシス+ザ・フォグの『モア・ライト』に決定!。実は、ここ二ヶ月余り、コレしか聴いてません。超ウルトラ・ヘビー・ローテーション。エクストラ・スーパー・ライト、みたいなもんです(意味不明)。J・マスシスがシーンに帰ってきただけでも大ニュースなのに、これほどの大傑作を発表してくれたんだから、そりゃもう、“ヒデキ還暦”(意味不明)です。オマケにプロモーションで来日までして、東京・大阪で計3回のインストアライブを決行。あぁ、夢ごこちでしたね、ボクは。無気力なフリして、せっせと働く彼を見てたら、多少はココの更新意欲も湧いてくるってものです。と、一人で興奮してしまいましたが、ココをご覧になってるほとんどの方は、彼のことすら知らないでしょう。あぁ、一人で空回り。グスン。んじゃ、明日は誰もが知ってる人の話題。もう、バレバレですね。



●12月12日(火)

つーことで、本日は“ベスト・ライブ賞”の発表です。もう、察しがついてる方もいるかと思うけど、そう、宇多田ヒカルちゃんの名古屋公演(8月17日)です。この時のツアーは合計4回見たんだけど、名古屋での彼女のパフォーマンスは、ほんとに圧巻でしたね。何を指して“素晴らしいライブ”と言うのかは人それぞれだろうけど、“心底楽しめたライブ”という意味では、群を抜いたモノがありましたね。正直言ってツアー前半の彼女は、いまいちエンジンがかかってなかったように見えたけど、終番のキレかたは、そりゃもうただただ爆笑(なぜに?)。いいなぁ~、Hikki。ラブラブ(意味不明)。仮に、彼女が40歳まで現役で活動すると仮定した場合、あと20年以上もボクらは楽しみが残ってるということになるワケで、残りの人生も捨てたモンじゃないよな、なんて、自分と彼女の人生をリンクして考えてしまうボクは、アブナイですかね?長生きしなきゃ。ちなみに、彼女の公式サイトでは、リニューアルされた記念に、現在Tシャツプレゼントの応募受付中。もちろん、ボクもエントリーしましたとも。

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“服買う金があったらレコード買ってた”と言ったのは、若かりし頃を振り返った山下達郎の弁。いやまったくですな。同じような10代を過ごしていたボクの格好も、そりゃヒドイもんでしたよ。今思うとゾッとしますな。“♪流行遅れのジャケット着てても男の人はそれでいいの”(ビター・スウィート・ロリ・ポップス)と歌っていた聖子チャンの言葉を真に受けてましたよ。今はそこそこお金も自由に使えるようになったから、いろいろなことを切りつめてCDを買う、なんてことはなくなっちゃったけど、そうやってコツコツ集めたレコード達っていうのは、一生手放せませんね。しかし最近は、一枚一枚のレコードやCDに対する思い入れみたいなものが、薄れてきてるような気がする。100枚のCDを聴くよりも、大切な一枚を100回聴くことの方が、自分にとって大事なんじゃないかと思い始めてる。だからかどうかは分からないけど、買うCDの枚数がめっきり減ってきた代わりに、一枚一枚を聴き倒すような聴き方になってきた。初心に戻ってね。あ~、ノスタルジー。これも世紀末現象なのかしらねん?

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話題沸騰のモー娘。のニュー・シングル「恋愛レボーリューション21」を、ようやくチェックしました。イントロを聴いた瞬間、“今度は、ストック、エイトキン&ウォーターマンか?”と思ったけど、それは、ほんの一瞬の出来事でしかありませんでした。次の瞬間には、いつもの70'Sディスコ・オゲレツ路線まっしぐら。下世話な世界が“これでもか!”と展開されていきます。遂に、彼女らは、いくところまでいってしまったのか?威圧感すら感じるこの曲、スゴすぎです。あぁ、つんく、マジ天才。アナタの才能は刺激が強すぎます。弟子にして欲しいくらい。



●12月13日(水)

後藤真希の魅力ってなんだろう?まぁ、たしかに“カワイイ”といえばカワイイけど、格別ズバ抜けて、って程じゃないし、歌が上手いワケでもなく、頭もワルそう。なのになぜボクらは彼女に惹かれるのだろう?それはきっと、あの“やる気の無ささ加減”なんじゃなかろうか?EE JUMPのユウキくん(後藤弟)に、“オネーチャンはだらしない”、“服を脱いだら脱ぎっぱなし”と、公言されてしまうダメ姉。“努力”なんて言葉からは、一番遠いところで生きてるたたずまい。しかし、のほほ~んとしながらも、しっかりとグループのメインを張り、ちゃんとソツなくこなす彼女。ここだよな、やっぱり。ボクが彼女にシンパシーを感じながら、別にファンじゃないのに、なんとなく見ていたいと思わせる要因は。努力はしてるんだろうけど決して表にださない、“結果が伴ってる無気力ぶり”という意味じゃ、J・マスシスと後藤真希って似てると思わない?(メチャクチャ強引な締め)

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別に今すぐ欲しいワケじゃないけど、いつか必ず手に入れたい、と思っているレコードが何枚かあります。中古屋へ行った時なんかも、とりあえずチェックしてはみるものの、“やっぱり今日も無かったね”ということが、かれこれ10年以上なんてモノも少なくありません。“それなりの金額”をだせば手に入れることはできるけど、そうやって集めるのって、なんかツマンナイ気がする。まぁ、人それぞれだろうけどね。先日、“在庫は豊富だけど高いことで有名な某店”へ行った時も、“アレ、あるかなぁ”という気持ちと、“あったらヤだなぁ”という気持ちが交錯して、複雑な気分でした。結果的には無かったんだけど、その店の値付け基準が、ボクの“心のプライス・ライン”とは大きくかけ離れていたんで、あっても買わなかっただろうけどね。生きているうちに手に入ればイイのさ、アレは。コンプリートを目指しているのに、全部集まってしまうと、なんかサミシイものがあったりするからね、物集めって。それを、“ロマン”と呼んでるボクを、笑いたければ笑ってください。

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シアター・コクーンへ、中島みゆきの『夜会』 を見に行ってきました。彼女のステージを見るのは初めて。しかも、それほど熱心なリスナーでもないけど、この『夜会』の話題は以前から耳にしてたから、一度見てみたい、と思ってたのです。正直言って、“恐いもの見たさ”というか、“禁断の洞窟へ潜入!”、“幻の黄金蛇を見た!”みたいなもんです。ファンの皆さんゴメンナサイ。これ、チケット入手困難なんでしょ?なんか申し訳ないような・・・。しかし、“念”というのは通じるもので、“見たい”と思ってたら、ボクのところにチケットが舞い込んできました。で、“これはいいチャンス!”とばかりに、イルミネーションで彩られた坂を登って会場へGO!。“チケットあるよ~、みゆきチャン”と、ダフ屋に“チャン呼ばわり”されていた彼女だが、その存在感たるや、もうよくワカンナイけど、なんかスゴイものがありましたね。お話のストーリー展開も、1回見ただけじゃ、よくワカンナイかも。でも最後には、ナニか不思議なものがこみ上げてきたりする。“なんだかよくわかんないけど、スゴイものを見てしまった”。ボクの初めての“みゆき体験”は、コレに尽きますね。ちなみに彼女は“黄金蛇”ではなく、“犬”でしたがね。

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最近やけに文字数が多いな、と感じた方、スルドイです。パソコンのハードディスクの中で眠ってた文章を、小出しにしてただけなんだけどね。“言葉の年末大売り出し”といったところです。“大売り出し”といっても勿論タダだぜ。無断転載・引用、大歓迎、勝手にしやがれ!(by ジュリー&ピストルズ)、とはいうものの、センスのないパクリは自分の首を絞めることになるから注意が必要です。筒美京平さんや大瀧詠一さんの音楽から、“引用の美学”というものを学んでからにしましょうね。



●12月15日(金)

椎名林檎がブレイクした当時、中島みゆきと比較して語られている記事を、よく目にしたものです。ボクが初めて椎名林檎を聴いた時に頭に浮かんだのは、カルメン・マキ、戸川純、ニナ・ハーゲン、アラニス・モリセット、といったところだったんだけど、先日、中島みゆきの歌を初めてナマで聴いてみて、両者の共通する“なにか”みたいなものが、チョットばかし分かったような気がする。じゃ、その“なにか”って何?というと、それがまだ上手く説明できないんだが。頭ワルイから。圧倒的な存在感だとか、独特な詩の世界だとか、そんなことじゃなくて...。“気”みたいなものっていうのかな?目とか耳では感じ取れない部分。ラッキーなことに、ボクは今年二人のライブを見ることができたワケだけど、残念なのは、どちらもチケット入手が激戦だったってこと。もっと多くの人に、彼女達のライブに触れる機会があれば、いいのになぁ、って、ホント思う。好き・嫌いは別として、一度は見る価値が絶対にあると思うよ。運良くチケットが手に入ったら、ぜひ、あのフシギなニオイを感じ取ってきてください。クセになるかもよ?

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毎年、この時期に乱発されるクリスマス・ソング達。しかしそのほとんどが、翌年には記憶から消え去られいきます。では、スタンダードになる曲と忘れ去られてしまう曲とは、いったいナニが違うのだろう?山下達郎の「クリスマス・イブ」がロング・セラーを続けるのは、タイアップのこととかも勿論あるけど、やはりアノ圧倒的な曲の完成度が最大の要因だと思う。いかにも“狙ってます!”的な、商魂ばかり目立つ曲には決して真似のできない魔法。そのマジックがアノ曲にはかかってるんではないか?魔法使いは、達郎さん本人。ちょっとやそっとじゃ、その魔法は習得できないよ。魔法使い相手のムボウな勝負はやめて、“バレンタインもの”に標準を絞ったほうが無難かもよ。敵は、国生さゆりくらいだぞ、って、誰に向けて言ってんだオレ?

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ここんとこ、寒さで家からでるのが、めちゃシンドイです。徒歩30秒のコンビニへさえも、行くのがヤになるくらい。数ヶ月前までは、“早く冬にならないかなぁ”と言ってたくせに、いざホントに寒くなると家から出たがらないという、じつにイイカゲンなボク。毎年毎年、同じことを思いながら、季節は回っていくのです。四季のある国に生まれてよかったね。あ~、SEASONS(byあゆ)。



●12月16日(土)

午前中から買い物ずくめの一日。早朝セールでの、衣料まとめ買いからスタートです。

ボクが服を買う時は、アレコレ選ばずに、最初に気に入ったものを買ってしまうクセがあるので、アッという間に終ってしまいました。

10時から始るチケット取りまで30分余裕があったから、“ぴあ”の前で行列してる人達を尻目に、朝マックでパワーを補給。で、今日は2月に来日するJ・マスシスのチケット発売日だったんだけど、ボクは並ばずに公衆電話でアタック。僅か5分で東京公演2日分を確保し、次なる買い物へGO。

遂に初めてDVDなるものを購入しました。記念すべき1枚目は、Hikkiの 『BOHEMIAN SUMMER 2000』。早く見たいところだけど、“諸般の事情で”、来世紀へ持ち越しです。そして、同時購入したのが、待望のバッドフィンガー『Head First』。これは今世紀中に聴いてしまいましょう。Hikkiとバッドフィンガーを一緒にレジに出したら妙な顔をされましたが、いつものことです。買おう買おうと思ってた、ブライアン・ウィルソンの『ハリウッド・ボウル・ライブ』(ブート)は、品切れでした。無念。来週、再入荷するとのことだったけど、他にも、ビーチ・ボーイズの5枚組みBOX(Smileモノ。勿論ブート)とかも、同時に入ってくるとか。言えばなんでも買うと思ってる店員が悪魔に見えたけど、振りきって店を後にしました。でも買うんだろうな、きっと。

その後もアレやコレやとイロイロ買って、最後に購入したのはCDウォークマン。ボクは基本的に家でしか音楽を聴かないので、この手のモノには無縁だったんだけど、最近なにかと移動することが増えたから、まぁ、いい機会かなとか思って買ってみました。家に帰って最初に試聴したのは、Hikkiの『First Love』。これでいつも彼女と一緒です。

歩きまわったせいか、夜は飲みに行こうかな、とか思ったけど、たまにはおとなしく過ごす週末もいいかなと。でも、家にいると、HikkiのDVD見たくなっちゃうんだなぁ。ガマンガマン(なぜに?)。



●12月17日(日)

今年の大晦日は、“世紀越え”ということもあってか、各地で多数のカウントダウンライブが行なわれます。たまたま覗いたチケット屋では、サザンのライブチケットに対して、ゼロが一つ多いんじゃないかと疑ってしまいたくなるような値段をつけてて、ちょっと愕然。ここでも“世紀末商戦”がくりひろげられていた、ということですかね。サザンと過ごすもよし、AYUと過ごすもよし。要は、楽しめればイイじゃん。大切な人と一緒にね。

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昨日買った、バッドフィンガーの『Head First』、今年最後のヘビー・ローテーション入り。内容が素晴らしいのは勿論だけど、ポップなメロディーラインに反して、不幸な結末を迎えてしまったバンド事情とか、いろいろな事柄が交錯して、なんとも切ない気分になります。純粋に作品の良さに触れたいから、そのような雑念は吹き払いたいところだけど、それは“後追いファン”の悲しいところです。これが、最後の最後になって、今世紀中にリリースされたってことは、とても意味のあることだと思う。天国にいる、ピート・ハムやトム・エヴァンスも、“オトシマエ”ができたと感じてる、と思いたいです。それがファンの勝手な思いこみだとしてもね。



●12月18日(月)

電車の車内吊り広告に、なんとも場違いな男性の笑顔。こちらを向いて微笑んでいるのは山下達郎さんです。遂に、車内吊り広告デビューですか。釈由美子酒井若菜らと並んで車内でブラブラしてる様子は、なかなかのインパクトです。他の乗客の目にはどう映ったのか興味のあるところ。果たして本人は、このことを知ってるのだろうか?。“モー娘。ヒロスエのポスターが○百枚盗まれた”なんて記事を見かけることがあるけど、まさか、これに限ってそんなことは・・・。

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わりと雑多にいろんな音楽を聴いてると思われがちなボクだけど、同世代に好まれて聴かれていた音楽には、意外に疎かったりします。特に、かつて“ニュー・ミュージック”と呼ばれていた分野がそうなんだけどね。その“ニュー・ミュージック”を好んで聴いていた、まわりの人達を横目で見ながら、ナゼ、ボクが歌謡曲に拘ったかというと、あの“開き直り加減”が性に合ったんだと思う。ニュー・ミュージックも歌謡曲も、西洋で生まれた音楽から多大に影響されて成長してきたのは、どちらも同じこと。なのに、歌謡曲やアイドル・ポップスを見下すような発言をする“オレはミュージシャンでござい”的な人達のカワイクない態度がたまらなくイヤだったんだな。勿論、全ての人がそうだったワケじゃないけど。それは、ファンにしても同じことで、サザンのライブで、みんな揃って右手を挙げて左右に振ってみるアレと、森高のライブで、客が同じ踊りをするのも、KinKi Kids のファンがペンライトを振って歓声をあげるのも、達郎ファンが、ある曲の決まった箇所で一斉にクラッカーを鳴らすのも、全部同じだってこと。“○○のファンより自分達の方が、音楽を聴く耳が上”みたいな態度や発言は、全て思い上がり以外のなにものでもないと思う。幾度となく繰り返されていく、ファン同士の水掛け論(by松波健四郎)を聞く度に“音楽に優劣は無いのさ!”という気持ちでいっぱいになります。もしも、優劣があると過信している人がいるとするならば、それは単に“聴き手の好き嫌いの問題”という言い方に置き換えられると思う。“全てのレコードは、同等にターンテーブルに乗る権利を有する”というスローガンを掲げていた某プロジェクトのポリシーを、ボクは断固支持します。

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今年何度目かの忘年会。二次会はフィリピン・パブへながれる人達が数名。しかし、ここの従業員の女の子達は、ボクの部屋の隣に住んでいるので、行く気になれません。ヘタに仲良くなったら、やっかいなことになりそうだし。つーことで、別グループでおとなしく日付が変わる前まで飲んでました。やはりボクは、少人数で飲む方が好きみたい。10人以上集まるような席へあまり顔を出さないのは、その為です。今年お会いするのは今日が最後だった方、よいお年を。そうでない方、もうちょっと20世紀を一緒に楽しみましょう。



●12月19日(火)

先日のジェフ・ベック日本公演は、正直言って客の入りがイマイチでした。空席の目立つ客席を前に演奏するのは、あまりいい気持ちではないでしょう。それは我々客側も同じこと。できることなら、満員の客席で迎えてあげたかったと、つくづく思います。プロモーターの読みがアマイと言えばそれまでだけど、昨年はチケットが即日完売だっただけにねぇ。2年連続で来日すると、客も冷たいもんです。来年、再来日がウワサされているブライアン・ウィルソンが心配だなぁ。去年の来日前に、“今回を見逃したら、次はナイと思え!”と、散々煽っていたボクに対して、“騙しやがったな、コノヤロウ!”なんて言わないでね。また見れるんだから、ヨシとしましょうよ。でも、チケット売れなさそうだな、ブライアン。サミシー。

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“サミシー”といえば、先日偶然、ル・クプルのサイン会というのに出くわしたんだが、これがまた超サミシー状況だった。さすがの“サイン・フェチ”であるところのボクでさえ素通り。冷たいもんですよ、世間なんて。ボクがもし、ル・クプルだったら、きっと耐えきれなくなって、“センチメンタル・バスで~す”とかいって客をダマしてただろうな。それでも大差ナイだろう、なんてツッコミは失礼だよ(どっちに?)。

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ボクが入っている某ML(メーリングリスト)で、あまりにふざけた内容の投稿が続出してて、もうウンザリ気味。MLというものの存在意義を穿き違えて、自分達の遊び場と化してる彼等に未来はないぜ!ノー・フューチャー・フォー・ユー(by ピストルズ)だよ。“見ないで捨てればいいじゃん”といえばそれまでだけど、なんだかなぁ・・・。

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暖かいんだか寒いんだか、よくワカンナイ気候で、ボクも風邪ひいてるんだかいないんだか。今朝起きたら、昨晩着てた服が脱ぎっぱなしで散らかってて、まるで後藤真希状態でした。



●12月20日(水)

やっぱり、誰もが予想してたとおりのエンディングだった『やまとなでしこ』だけど、それでも高視聴率をマークしたそうで、相変わらずの“菜々子パワー”を見せつけられた思いです。東幹久は、“医者の御曹司”役よりも、『2000年の恋』の時のような“ヒモ”役のほうが、キャラに合ってるよな、ということが確認できたり、“なっち”とフライデーされた押尾学の顔と名前が一致するようになったりと、まぁ、それなりの収穫はありましたが。“お金じゃ買えない大切なもの”について説いていたこのドラマ、アナタの目には、どう映ったでしょう?“愛はお金じゃ買えないのさ”と、歌っていたビートルズは、大金持ちになってしまいました。皮肉なもんです。しかし、彼等はピュアな気持ちを忘れませんでした。だから、30年以上も前の曲でも、いまだに色褪せず輝いているのかもしれません。ボクも、いつまでもピュアな心を持ち続けていたいものです。どこかの“やまとなでしこ”のためにもね(くっさ~)。

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相変わらず“広告を掲載しませんか?”ってメールが送られてくるんだが、ボクは全くその気がナイのでアシカラズ。ナゼなら、たとえ1円でも広告収入が発生したならば、その時点で“趣味”ではなくなってしまうからです。よく、“このサイトを運営していく為に・・・”なんて名目を掲げて広告を掲載しているサイトがあるけど、自腹で維持できないなら、やめてしまえ!って思う。シラジラシイ言い訳なんかやめて、ハッキリと“利益を得る為”って言えばいいのに。元々ホームページを立ち上げた時の動機はなんだったの?ちょっと人気がでてきたから、ここらでひとつ広告でも載せて、小銭が稼げればラッキー!、というのが正直なところでしょう。インターネットがここまで普及したのは、“無料奉仕の精神”に寄るところが大きいと思う。ツマラナイ欲がでてきたら、もう初心を忘れてるってことじゃない?ボクは先人達への恩返しの意味でも、“個人サイト”や“趣味サイト”が広告を載せるのは、あまり好感がもてないな。まぁ、結局はオーナーの心意気次第だけど。ボクはずっと、“自腹でGO!”さ。

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部屋のどこかに必ずあるハズの、山下達郎『シーズンズ・グリーティングス』が見つかりません。タイム・リミットは、あと4日です。今日もこれからCDの山を掘り起こさねばなりません。こんなことにならないように、日頃からちゃんと整理しておきましょうね、皆さん。クリスマスまでに、アノCDが発見される可能性は、果たしてあるのか?



●12月21日(木)

小沢健二の『LIFE』を聴きながら電車に揺られていたら、目の前に東京タワーが飛びこんできました。こんな素敵な瞬間って、そうあるもんじゃありません。鳥肌がたってしまいましたよ、仔猫ちゃん。で、目指すは東京国際フォーラム。小沢クン同様の“王子様キャラ”、及川光博のワンマンショー、『誰にも言っちゃダメだよ・・・』を見るためです。予想どおり、客の大半は女性だったけど、思ったよりは“男子”も来てたかな。スモークの中から羽を背負って現れたミッチー。歌う、踊る、喋る、喋る、喋る、歌う、喋る、喋る・・・。曲が少なく感じたのは気のせい?でもメチャクチャ面白かったよ。こんなに笑ったの久しぶり。これからは、“キャプテン”と呼ばせてもらいます。全体の雰囲気は、(ジャニーズ+沢田研二)÷小沢健二×岡村靖幸って感じ。ヒドイ例えだなぁ。唯一の心残りは、ペンライトを持っていかなかったことかな(ちょっとだけホント)。

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ボクがもっともお世話になったレコード屋といったら、それは“ハンター”でしょう。特に、今は亡き渋谷店。ナゼか店内に、ジュースの販売機が設置してあった、アノお店です。ボクは飲んだことないけどね。たしか、キリンレモンとかがあったような気がするんだが...。あそこで、レコード漁りの合間にジュースを飲むことが憧れだった、と、小山田圭吾クンも言ってたっけ。現在家にある歌謡曲のシングルの大半は、“ハンターもの”です。ホッチキスの跡もバッチリさ。アレ、嫌がる人多いけど、ボクはたいして気にしてません。なによりも、あの安さの前ではね。あまりに大量に買い過ぎたレコード達は、今再び、ハンターの元へと帰りつつあります。要は、買い取りに出してるということ。他店へ売れば高く売れるモノでも、敢えてハンターへ持っていくのは、恩返しの意味もあります。“レコードを売る”という行為に抵抗を感じる人もいるかもしれません。しかし必ずどこかに、次の持ち主がいるハズと信じてます。次の人の手に渡る為の手っ取り早い方法として、ボクはレコードをハンターに持っていきます。たとえ、買い取り価格から交通費を引いたらマイナスになると分かっていてもね。できることなら、一度買ったものは手元に置いておきたいけれど、スペースの都合とかもあるし、なによりも、持ってるだけで聴かれずに放置されるよりは、聴いてくれる人の元へと渡ったほうが、レコードも幸せなんじゃないかと思うんだけど、どうでしょう?でもやっぱり、レコード部屋が欲しいなぁ、なんてことを、荒れ果てた自分の部屋を見て思うのでありました。

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行方不明の『シーズンズ・グリーティングス』は、約10時間の捜索にもかかわらず、発見されません。これでもまだ、所有CDの三分の一程度しか目を通してません。もう一枚買ったほうが早いんだけど、なんか悔しくてね。でももうギブアップしました。情けないけど。しかし、“他の探しモノ”が多数発見されてそれなりの収穫はあったけどね。

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路上で、“サンタの着替え”を目撃。しかも10人以上も。アレ、一度着てみたいんだな。来年あたり買っちゃおうかな(結構本気)。



●12月29日(金)

PUFFYの由美ちゃんが髪をバッサリ切って、なんだかミョーにカワイらしくなってしまい、またボクの“お気に入り度”がアップしました。なーんてことを考えながら向かったのは西新宿。今年最後のお買い物です。ココへ来て買うモノといったら勿論ブートCD。今月行なわれたばっかりのジェフ・ベック来日公演が、全ての日程分揃っていて唖然。しかもそれだけではなく、隠し録り映像まで堂々と売られていました。田代まさしもビックリです。で、ボクが購入したのは、ビーチ・ボーイズ『ARCHAEOLOGY』(5枚組み)と、ブライアン・ウィルソン『Pet Bowl』(2枚組み)。また今年も最後に買ったのはブライアンのブート。確信犯という説もありますが、芸がナイですな。買ったばかりのCDをCDウォークマンで聴いていたら、新宿がハリウッド・ボウルに思えてきました、と言いたいところだけど、テレクラの看板が現実にひきずり戻してくれます。師走だね。

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ジミー・ペイジの来日は、残念ながらヘルニアが悪化した為中止になってしまいましたが、“ヘルニア”と聞いて思い出すのは、元:少女隊のチーコちゃん。彼女もヘルニアが原因でグループからの脱退を余儀なくされたワケだけど、その後、少女隊時代のステージ衣装を、代々木のフリーマーケットで売っていたという、ホントかウソか分からないエピソードを聞いた時、いかにも彼女らしいな、と、妙に納得したものです。ところで、ジミー・ペイジが70年代に着てたドラゴン・スーツは、今でも所有しているのだろうか?もう、ウエストが入らないだろうけど、アレが似合ってた頃の彼はカッコよかったですなぁ。もしもアレが、フリー・マーケットに出品されてたら、通りすがりのオバチャン達は、なんの衣装だと思うことだろう?“スター:にしきのあきら”のステージ衣装かと思うのかも。でも、確かにアノ時代、ドラゴン・スーツを身にまとった彼はカッコよかったのです。そんなイイ時代だったんですよ、って、まるでリアルタイムで知ってるような口ぶり。もちろん、後からビデオで見た世代ですよ。悔しいけどね。ちなみに、少女隊はナマで見たよ。悔しいけど。



●12月31日(日)

ヘッドホンをして歩いている時、偶然バッタリ知り合いと顔を合したりすると、大抵、“何聴いてんの?”と、聞かれることでしょう。そんな時に限って、モー娘。だったりします。“洋楽も邦楽もイロイロ聴くけど、“たまたま”今日はモー娘。でさぁ”、なんて言い訳をしている自分がいます。なぜ素直に“モー娘”と言えないのでしょう。なんか、後ろめたいような気持ちにさせるんだな、モー娘って。それがまた魅力でもあるんだけど。そんなふうに思ってるのって、ボクだけかな?最近になって、約10年ぶりに、“ウォークマンを携帯する生活”が復活しました。いつ“何聴いてんの?”と聞かれるか、ヒヤヒヤもんです。そんな、“ロシアンルーレット状態”のドキドキした毎日を過ごしてるボクのリスニングライフは、とても刺激的で充実してますよ。彼女達のおかげでね。

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最後の忘年会を今朝終えて、すっかりグロッキー状態。ボクらがいたカラオケBOXの隣の部屋で盛り上がっていたナインティナインが、夕方の生放送で元気にお仕事をこなしてるのを見て、旬な芸人のパワーというものを見せつけられた気がします。今夜のカウントダウンパーティーにも誘われたんだけど、ボクが一緒に新世紀を迎えるのは違う人のような気がしてキャンセル。今年も一人で年越しです。年末も押し迫って、こんなにツライ思いをするなんて思わなかったよ。バイバイ20世紀。