山下達郎

山下達郎さんと出会う以前、もともとギター弾きだった僕は、聴く音楽もいわゆる”3大ギタリスト”物や、その周辺が多く、しかも洋楽中心だった。

なもんで、達郎さんは僕にとって、遠い距離にいた訳。もちろん、その存在は知っていたけど。当時、仲の良かったヤツ(彼はドラマー)が、達郎ファンで、ライヴの話とかはチラホラ聞いてはいた。そんな時に偶然耳にしたのが、NHK-FMで放送されていた「サウンド・ストリート」。たしか達郎さんは、木曜日担当だったハズ。ちなみに金曜日は渋谷陽一さんの担当で、その頃の僕は渋谷さんの影響をモロに受けていたから、その流れで聴いたのかも。

そこで紹介されてた音楽は、今までほとんど自分とは無縁のものだった。しかし、素晴らしいものばかり。そしてあまりの博識ぶりにも腰をぬかす。

こうして、”人間:山下達郎”に非常に興味を持ち始める。当然彼の音楽も聴き始める。今までギターといえば、”ギターソロ”にしか興味がなかった自分の耳に飛び込んできた、通称”鉄板ギター”と呼ばれるカッティング。目から(耳から)ウロコが落ちる思いだった。

雑誌などのインタビュー記事も読みまくる。ここでも、豊富な知識量と音楽に対する誠実な態度に圧倒された。同じ東京生まれということもあるのか、共鳴できる部分も多かった。

初めて観た中野サンプラザでのライブ。不覚にも金縛りにあってしまった。”完璧なスタジオマジックの使い手”といった印象が強かったが、ライブパフォーマーとしてもこれがまたスゴイんだな。まだライブへ足を運んだことの無い人には、ライブアルバム『JOY』を聴いてみることを薦める。

The Beach Boys を教えてくれたのも達郎さんだ。あらゆる意味で、人間としてもミュージシャンとしても尊敬して止みません。