野村義男『440Hz with 〈Band of Joy〉』

1992年7月25日発売
SHCD-1006

  1. Overture〜Break Through (3:51)
    -Yoshio-
  2. 花いちもんめ (3:24)
    -Yoshio-
  3. 迷路の中のStranger (4:53)
    -Wonder“Dee”Jet-Yoshio-
  4. 風花(KAZA-HANA) (1:59)
    -Yoshio-
  5. Blow Down (4:43)
    -Yoshio-
  6. PURSUIT OF TRUTH (3:27)
    -Yoshio-
  7. Brand New Days (5:16)
    -Yoshio-
  8. Kimi-Rashiku (1:39)
    -Yoshio-
  9. Edge of Passion (6:41)
    -Marie Cochrane-Yoshio-
  10. Lupin the 3rd (3:04)
    -Yuji Ohno-
  11. Only Lonely (4:19)
    -Miki-Yoshio-
  12. TAKE FIVE (1:44)
    -Paul Desmond-
  13. Hot-Blooded Lady (5:09)
    -Wonder“Dee”Jet-Yoshio-
  14. A-Ko (1:29)
    -Yoshio-
  15. Oh! Man Go! (12:57)
    -Yoshio-

グッバイ活動停止の約二年半後に発売された、実質的なファーストソロアルバム。

あえて自らのリードボーカルを収録しなかったり半数以上をインストが占める構成は、“ギタリスト”として活動していくことの意思表明ともとれる。代わりにボーカルを取ってるのはWonder“Dee”Jet、宮原学の二人。ちなみに二曲で作詞も手がけてるWonder“Dee”Jetとは、元Grass Valley出口雅之の変名。変名といえば、「花いちもんめ」、「Oh! Man Go!」のクレジット中に“弥生又造”の名が・・・。

全編、ベース:渡辺英樹、ドラム:熊丸久徳のリズム隊で録られていて、ある意味“第二期:三喜屋・野村モーター'S BAND”の1stアルバムともとれないこともない。キーボードパートも全て義男さん自身によるもので、「PURSUIT OF TRUTH」におけるフェンダーローズ、「Kimi-Rashiku」のピアノなどはとても味わい深い演奏。キーボードが本職ではないプレイヤーが弾くピアノって、凄く好きなんですよね。ジム・ゴードンが弾く「Layla」の後半部とかみたいな。

「Blow Down」のギターソロでエース・フレーリーの手グセっぽいフレーズを弾いたり、「Edge of Passion」にジミヘン関係(「The Star Spangled Banner」、「Third Stone From The Sun」、「Voodoo Chil」)や「Superstition」などのワンフレーズを織り交ぜたりと、三喜屋ライブなどでお馴染みのお遊びが、ここでも楽しめる。「Voodoo Chil」は「Oh! Man Go!」でもチラッと顔を出しますね。「Oh! Man Go!」で聴けるベートーヴェン第九のフレーズは、第九というよりもレインボーの「Difficult To Cure」と解釈するほうが妥当なのかも?

満を持してリリースされたソロだけあって、素晴らしいギターアルバムとして仕上がってます。野村義男史における『Blow By Blow』というか。ジャケットも含めて、大好きなアルバムですね。