甘い男

レコード輸入権が創設されても、Amazon.comを利用すればよいから自分には関係がない」と思っている洋楽ファンは、もう少し危機意識を持った方が良さそうです。個人輸入代行業者を利用すれば大丈夫だと考えている人も「甘い!」ということがいえそうです。レコード団体からの要求が不当なものであっても、CD Wow!がそうであったように、訴訟を続けることは時間的にも金銭的にも高くつきすぎるということで和解に応じざるを得なくなってしまうのです。

kzroom

これを読んでも、まったく危機感は感じないんだよね。レコード輸入権については2月7日の日記でもちょこっと触れたが、その最後に“西新宿のブート屋街へ行ってごらんよ。”と書いた。アレはどういう意味だったかというと、“大手CDショップが輸入できなくなってもブート屋へ行けば手に入るだろう”という意味ではなくて、“西新宿の現実を目にしてみなよ”、という意味だったんだな。

どういうことかというと、“非正規盤であるブートレッグCDでさえ野放しになってるのに、正規盤である輸入CDを「完全に」取り締まることなんてできるハズがない”、ということ。

ボクは幸か不幸か都心で生まれて、小学校の頃、既に西新宿でブート漁りをしてるヤツがクラスメイトにいた、という環境もあり、彼に連れられ、11歳にして西新宿デビューを果たした。それ以来今日まで、ず〜っと西新宿のブート街に通ってるんだけど、一度もブートの灯が絶えたことなんてなかった。そういった光景を目の当たりにしながら育ってきた人間に対して、“これからは輸入盤が手に入らなくなるかもしれませんよ”なんて言ったって、信じられるハズがない。あんな“無法地帯”が現存してるのに、“輸入権”なんて、“ヘ”でもねぇぜ、といったところですよ。いつかレコード輸入権が創設されたとしても、抜け道なんていくらでもある、と。やるならやってみやがれ、と。

ただ、この“レコード輸入権”という法案が“クソ法案”だという考えに異論はありません。こんなもの、執行されないほうがいいに決まってる。しかし、この国の行政やレコード業界に訴えたところで、執行されてしまえばそれまでで。CCCDの件もしかり。だからと言って黙って見ているよりは、抗議行動を起こすべきだと思う。ファンの声が届いてCCCDを回避した、なんてケースも稀にあったりするし。でもこれは、“声が届いた場合”の話しであって、届かなければ、ユーザーが泣き寝入りをすることになる。そうなってしまった場合の対処方法を、これからは各自で見つけていかなくてはならないのかもしれない。そのひとつが、上記で言った“抜け道”なのかも。地元選出の国会議員に陳情することも勿論大事だけど、自分なりの“抜け道”を確保しておくことも大事、と。最後に頼れるのは自分だけでしょ?

国やレコード業界の動向に左右されることなく、自分は自分の方法で音楽を楽しんでいきますよ、と、“腹をくくった決意表明”という意味を含めた上での、“危機感の無さ”なんだな。

やっぱり“甘い”ですかねぇ?

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