「人の力」

600曲以上あると言われているAKB関連曲だけど、世間一般的にはAKBと言えば「ヘビーローテーション」と「会いたかった」のイメージだろう。

その2曲くらいしか知らない人に“AKBは曲がつまらない”と言われると、複雑な気持ちになる。

通常のアイドルやアーティスト、バンドなどのレパートリーは、シングルやアルバム収録曲が中心なわけだが、48グループの場合、その他に数百曲に及ぶ“公演曲”というのがあって、ファンに人気がある曲もほとんどが公演曲だったりする。

しかし、それらの膨大な曲の数々は一般の耳に届くことはほとんどないし、CD化されていない曲も多かった。

2013年の元日に、遂に全公演曲がCD化される。しかも公演が行われた当時のメンバーによるボーカルでの収録だ。これをきっかけに、少しでも多くの人に公演曲の面白さが伝わればなぁ、と思う。

なんてことを書いた今回は、当然のように公演曲を紹介するかと思いきや、シングルのカップリング曲の「人の力」です。というのは、前回の記事の補足的な意味合いで「人の力」について書きたかったから。

***

21thシングル「Everyday、カチューシャ」のカップリング曲。

前回、「狼とプライド」について書いた時、

“「Be My Baby」もの”といえば、イントロのあの印象的なリズムパターンを引用した曲を思い浮かべがち

と、書いたが、この「人の力」がまさにそれ。とは言ってもソレ風なのは最初の4小節だけで、シンセが被ってくるあたりからまるで雰囲気は変わってしまう。でもこの4小節だけで、オールディーズ好きな僕はかなりお腹いっぱい。カスタネットもいい感じ。

全体的にジェフ・リン風のサウンドだったり間奏がダリル・ホール風だったりで、他にも楽しめる要素はあるのだが、唐突に初期ビートルズ風に6thコードで終わるエンディングが斬新。

それにしても、亜美菜の声って目立つよね。